マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は米CPIを受けて利上げペースが速まるとの観測が後退し続伸 日本市場は決算発表がピークに
NYダウ: 24739.53 △196.99 (5/10)
NASDAQ: 7404.98 △65.07 (5/10)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は米消費者物価指数の発表を受けて利上げペースが速まるとの観測が後退し続伸となりました。49ドル高でスタートし昼過ぎに250ドル高余りまで買われたダウ平均はその後やや上げ幅を縮めたものの堅調に推移すると196ドル高の24,739ドルと6日続伸となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も65ポイント高の7,404ポイントと5日続伸となっています。
2.経済指標等
4月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.5%上昇し市場予想と一致しました。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年同月比2.1%上昇となり市場予想を下回っています。4月の米財政収支は2140億ドルの黒字となり市場予想を上回りました。 先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週と変わらずの21万1000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して横ばいとなりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも電気通信サービスが2%近く上げたほか、公益事業と情報技術、ヘルスケアも1%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はナイキ(NKE)を除く29銘柄が上げました。そのなかでも原油価格の先高期待からエクソンモービル(XOM)が2%以上上昇したほか、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も2%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、好業績を受け投資判断の引き上げが相次いだことで中古車販売のカーバナ(CVNA)が8%を上回る上昇となりました。一方で2018年2-4月期の1株利益が従来予想の下限になる見通しだと発表した衣料・雑貨のエル・ブランズ(LB)が7%以上下げました。なお、取引終了後に決算を発表した画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)が時間外で下げています。1株利益は市場予想を上回りましたが、連日で上場来高値を付けていたため利益確定の売りが優勢となっています。
5.為替・金利等
長期金利はコアCPI が市場予想を下回ったことで0.04%低い2.96%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ109円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が上昇となる一方でドル円が円高となるなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日は決算発表のピークで800を超える企業が決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)