マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は米中の貿易摩擦への警戒感が和らぎ上昇 日本市場は米国株高や円安を好感して堅調なスタートか
NYダウ: 24899.41 △68.24 (5/14)
NASDAQ: 7411.32 △8.43 (5/14)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はトランプ米大統領が中国の通信機器大手ZTEへの制裁を緩和する方針を示唆したことで米中の貿易摩擦への警戒感が和らぎ上昇しました。昼前に163ドル高まで買われたダウ平均は節目の25,000ドルを前に上値を押さえられたことで午後に入って上げ幅を二桁に縮めましたが、その後も堅調に推移すると結局68ドル高の24,899ドルと8日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も8ポイント高の7,411ポイントと反発しています。
2.経済指標等
主な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や公益事業、電気通信サービスなどの7業種が下げました。一方でヘルスケアやエネルギーなどの4業種が上げています。
4.個別銘柄動向
半導体大手のクアルコム(QCOM)が3%近く上げました。中国当局がクアルコムによるオランダの車載半導体大手NXPセミコンダクターズ(NXPI)の買収審査を再開したと伝わったことが好感されました。NXPセミコンダクターズは急伸し12%近く上げています。また、トランプ米大統領が中国の通信機器大手ZTEへの制裁を緩和する方針を示唆したことでZTEとの取引が大きい通信機器のアカシア・コミュニケーションズ(ACIA)が9%近く上げています。さらにハードディスク駆動装置のウエスタンデジタル(WDC)が強気の投資判断を受けて3%近く上昇したほか、事業売却に向けて動き始めたと発表した小売りのシアーズ・ホールディングス(SHLD)も7%近く上げています。一方でメディア大手のCBS(CBS)による買収に不透明感が出たことでバイアコム(VIAB)が5%近く下げています。富士フイルムホールディングス(4901)による買収合意を解消すると発表したゼロックス(XRX)も4%以上下げました。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い3.00%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高や円安を好感して堅調なスタートが予想されます。短期的な過熱感もやや意識されるなかで日経平均が一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)