マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は長期金利の上昇や米中の貿易交渉への警戒感が重石となり小幅反落 日本市場は円安で堅調なスタートか
NYダウ: 24713.98 ▼54.95 (5/17)
NASDAQ: 7382.47 ▼15.82 (5/17)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は長期金利の上昇や17日から始まった米中の貿易交渉への警戒感が重石となり小幅に反落しました。16ドル安でスタートしたダウ平均はしばらくして100ドル安まで売られると切り返し70ドル高まで買われましたが、買いが続かず昼前に再びマイナスに転じると一時は130ドル安近くまで下落する場面もみられました。取引終盤にかけて持ち直したダウ平均ですが結局54ドル安の24,713ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も15ポイント安の7,382ポイントとなっています。
2.経済指標等
5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は34.4と前月から上昇し市場予想を上回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万1000件増の22万2000件となり市場予想を上回る悪化となっています。また、4月の米景気先行指標総合指数は前月比0.4%上昇し市場予想と一致しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や電気通信サービス、不動産などの6業種が下げ、公益事業は1%近く下落しました。一方でエネルギーや資本財・サービス、生活必需品などの5業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となりました。
4.個別銘柄動向
決算で既存店売上高が市場予想に届かなかったうえ、通期の利益見通しを引き下げたことで百貨店のJCペニー(JCP)が急落し12%以上下げました。また、ネットワーク機器大手のシスコシステムズ(CSCO)も4%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。決算は市場予想を上回ったものの利益見通しが市場予想並みに止まったことが嫌気されました。一方で投資判断と目標株価の引き上げを受けてコカ・コーラ(KO)が2%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)も投資判断の引き上げを受けて2%高となりました。なお、取引終了後に決算を発表した半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)は業績の見通しが市場予想を下回ったことから時間外で一段安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い3.11%となりました。ドル円はさらに円安となり110円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場は下落したものの、ドル円が円安に振れていることから本日の日本市場は堅調なスタートが予想されます。引き続き短期的な過熱感も意識されるなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)