マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場はFOMC議事要旨を受けて反発 日本市場は円高を受けて続落か
NYダウ: 24886.81 △52.40 (5/23)
NASDAQ: 7425.96 △47.50 (5/23)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はFOMC議事要旨を受けて反発しました。中国との通商協議について最終的には仕組みを変える必要が出てくるだろうとのトランプ米大統領のツイートを受けて米中貿易交渉への不透明感が意識され一時は167ドル安まで売られるなど軟調に推移したダウ平均ですが、午後にFOMC議事要旨が発表されると利上げ加速観測が後退しプラスに転じました。結局ダウ平均は52ドル高の24,886ドルと反発して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も47ポイント高の7,425ポイントと反発しています。
2.経済指標等
5月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は次回6月の利上げを示唆する内容だったものの、物価上昇率が目標とする2%を一時的に超えても政策目標と矛盾しないとしインフレの上昇が必ずしも利上げペースの加速につながらない可能性を示唆する内容でした。また、5月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は56.6となり市場予想を上回りました。一方で4月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比1.5%減の66万2000戸となり市場予想も下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や情報技術、不動産などの6業種が上げました。一方で金融や電気通信サービス、素材などの5業種が下げています。
4.個別銘柄動向
決算が市場予想を上回る増収増益で、自社株買いも発表したティファニー(TIF)が急伸し23%を超える上昇となりました。市場予想を上回る2019年1月期の見通しを発表したホームセンターのロウズ(LOW)も急伸し10%以上上げています。さらに決算で売上高が市場予想ほど減らなかったラルフローレン(RL)も14%を上回る上昇となっています。一方で2018年12月期のエネルギー関連事業の利益が横ばいにとどまるとの見通しを公表したゼネラル・エレクトリック(GE)が7%以上下落し、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。決算で1株利益が市場予想を下回ったディスカウントストアのターゲット(TGT)も5%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利はFOMC議事要旨を受けて0.07%低い2.99%となり3%を割り込んでいます。こうしたなかドル円ではさらに円高が進み110円近辺で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は円高がさらに進んでいることを受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円の動向に神経質な展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)