マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場はイタリアやスペインの政局混乱を嫌気して大幅下落 日本市場は米国株安と円高で続落か
NYダウ: 24361.45 ▼391.64 (5/29)
NASDAQ: 7396.59 ▼37.26 (5/29)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はイタリアやスペインの政局混乱を嫌気して大幅下落となりました。146ドル安でスタートしたダウ平均は朝方こそ下げ渋っていたものの、まもなくして下げ幅を大きく広げると取引終盤には505ドル安まで下落しました。引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが結局391ドル安の24,361ドルと3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も37ポイント安の7,396ポイントと反落となりました。
2.経済指標等
3月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比6.8%上昇し市場予想を上回りました。また、5月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は128.0となり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げました。そのなかでも金融が3%以上下げたほか、素材と資本財・サービス、ヘルスケアも1%を超える下落となりました。一方で不動産と公益事業が小幅に上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中28銘柄が下げました。そのなかでも長期金利の低下を受けてJPモルガン・チェース(JPM)が4%を上回る下落となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、ゴールドマン・サックス(GS)も3%以上下げました。また、アメリカン・エキスプレス(AXP)とゼネラル・エレクトリック(GE)も3%を超える下落となっています。一方でコカ・コーラ(KO)とファイザー(PFE)が小幅に上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、カナダ政府がパイプライン事業を買い取ることで合意したと発表したパイプラインのキンダー・モルガン(KMI)が1%近く上げ、米司法省が医薬・農薬大手の独バイエルによる買収を承認する見込みとなった種子大手のモンサント(MON)も堅調でした。
5.為替・金利等
長期金利は欧州政治リスクの高まりを受けて安全資産の米国債が買われ0.15%低い2.78%となりました。こうしたなかドル円ではさらに円高が進み108円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安と円高を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の22,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)