市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場は高安まちまち ナスダックは史上最高値を更新 日本市場は日銀の金融政策決定会合の結果に注目

NYダウ: 25175.31  ▼25.89 (6/14)
NASDAQ: 7761.04  △65.34 (6/14)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。長期金利低下によるJPモルガン・チェース(JPM)の下落や米中貿易摩擦への懸念によるキャタピラー(CAT)の下げが重石となったダウ平均は3日続落となったものの、ハイテク株やメディア関連株などが買われたことでS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は反発しました。朝方は130ドル高余りまで買われる場面もみられたダウ平均ですが、上値が伸び悩むと上げ幅を縮め昼前ごろからは前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となりました。結局ダウ平均は25ドル安の25,175ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が6ポイント高の2,782ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も65ポイント高の7,761ポイントとなり、こちらは12日に付けた史上最高値を更新しています。

2.経済指標等
5月の米小売売上高は前月比0.8%増となり市場予想を上回りました。また、5月の米輸入物価指数も前月比0.6%上昇し市場予想を上回りました。米輸出物価指数も前月比0.6%上昇し市場予想を上回っています。先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比4千件減の21万8千件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。4月の米企業在庫は前月比0.3%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、公益事業と一般消費財・サービスが1%を超える上昇となったほか、電気通信サービスも1%近く上げています。一方で金融と資本財・サービス、エネルギーが下げ、金融は1%近く下落しています。

4.個別銘柄動向
長期金利の低下を受けてJPモルガン・チェースが2%近く下落したほか、ゴールドマン・サックス(GS)も小幅に下げました。また、米中貿易摩擦への懸念からキャタピラーも1%余り下げたうえ、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)やボーイング(BA)も軟調でした。さらに投資判断の引き下げを受けてオラクル(ORCL)が5%近く下げました。後発医薬大手のマイラン(MYL)も呼吸器疾患の吸入薬について米当局から欠陥が指摘されたことで5%以上下げています。一方で21世紀フォックス(FOXA)のコンテンツ事業の買収を正式に発表したCATV大手のコムキャスト(CMCSA)が事業拡大への期待から4%以上上げています。手作り品売買サイトのエッツィー(ETSY)も売上高の見通しを引き上げたことで急伸し26%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等
長期金利は、ECBが理事会で量的緩和策の年内終了を決めたものの、少なくとも来年夏まで利上げをしない方針を示したことで欧州の長期金利が低下した流れを受けて0.03%低い2.93%となりました。ドル円はECB理事会後にユーロに対してドルが大幅に上昇したことで対円に対してもドル買いが優勢となり110円台後半まで円安が進んでいます。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場はナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことや円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨日の下げをどこまで取り戻せるかがポイントとなりそうです。また、本日は昼ごろに日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定で注目されますが、金融政策に変更はないとみられることからマーケットへの影響は限定的となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)

バックナンバー


マネックスレポート一覧

当社の口座開設・維持費は無料です。口座開設にあたっては、「契約締結前交付書面」で内容をよくご確認ください。
当社は、本書の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本書の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。本書の内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。

利益相反に関する開示事項

当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、ならびに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。