市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場は米国と欧州の貿易摩擦激化への警戒感が後退したことで反発 日本市場は米国株高で上昇してのスタートか

NYダウ: 24356.74  △181.92 (7/5)
NASDAQ: 7586.43  △83.75 (7/5)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は米国の駐ドイツ大使が複数のドイツ自動車メーカー首脳にEUが米国製自動車への関税を撤廃すれば米国も関税をゼロにすると提案したと伝わり、米国と欧州の貿易摩擦激化への警戒感が後退したことで反発しました。111ドル高でスタートしたダウ平均は一旦前日終値近辺まで上げ幅を縮めましたが、マイナスに転じることなく切り返すと昼過ぎには200ドル高近くまで買われました。その後FOMC議事要旨の発表を受けて70ドル高近くまで弱含む場面もありましたが、引けにかけて再び上げ幅を広げると結局181ドル高の24,356ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も83ポイント高の7,586ポイントとなっています。

2.経済指標等
6月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は前月比17万7000人増となりましたが市場予想を下回っています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比3000件増の23万1000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。一方で6月の米ISM非製造業景況感指数は59.1と前月から上昇し市場予想も上回りました。6月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、貿易摩擦の懸念が深まるなかでも緩やかな利上げを続ける姿勢であることが明らかとなりました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が上げました。そのなかでも生活必需品と情報技術、不動産、ヘルスケアが1%を超える上昇となったほか、素材も1%近く上げています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はシェブロン(CVX)とトラベラーズ(TRV)を除く28銘柄が上げました。そのなかでもドラッグストア大手のウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)とインテル(INTC)が2%を超える上昇となったほか、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も2%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、前日に大幅安となった半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)が2%を上回る上昇となり反発しました。中国の裁判所から一部製品の生産・販売の差し止めを命じられた件での売上高への影響が軽微にとどまると発表したことが好感されました。また、目標株価の引き上げを受けてフェイスブック(FB)も3%近く上げています。一方で量産車「モデル3」の生産目標達成を急ぐあまり安全性検査の一部を省略していたと伝わった電気自動車のテスラ(TSLA)が売られ一時は5%近く下げる場面もありました。引けは小幅安で取引を終えています。

5.為替・金利等
長期金利は変わらずの2.83%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。本日は日本時間の午後1時1分に米国による中国への制裁関税が発動される見込みでマーケットの反応が注目されますが、こうしたなかで日経平均が昨日に割り込んだ一目均衡表の雲の下限(21,698円)を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)

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