マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日本市場は先週末の米国株高を受けて大幅続伸 日経平均は節目の22,000円を回復
1.概況
本日の日本市場は先週末の米国株高を受けて大幅続伸となりました。50円高の21,838円で寄り付いた日経平均はしばらくして節目の22,000円を上回ると一旦22,000円を小幅に上回ったところで上値が伸び悩みました。しかし、上海総合指数が取引開始直後に大きく上げ幅を広げたこともあって10時半過ぎから一段高となり前引け20分前には301円高の22,089円まで上昇しました。前場に22,100円を超えられなかった日経平均ですが後場に入るとさらに上値を伸ばし13時10分過ぎには22,100円を上回って317円高の22,105円まで買われました。さすがに22,100円をわずかに超えたところで上値を押さえられたものの、その後も22,000円を上回って堅調に推移すると結局、日経平均は264円高の22,052円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均はともに続伸となっています。
2.個別銘柄等
基幹部品のセラミックコンデンサーをスマホの高機能化や車の電子化などで需給が逼迫していることから2-3割値上げすると伝わった村田製作所(6981)が5.9%高と大きく上げました。同じくセラミックコンデンサーを手掛ける太陽誘電(6976)も一部の顧客に値上げの要請を始めていると伝わったことで8.5%高となり、値上げの動きが広がる見通しとも伝わるなかTDK(6762)も4.2%高となりました。村田製作所、太陽誘電、TDKは揃って年初来高値を更新しています。また、開発中のアルツハイマー治療薬の臨床試験で良い結果が出たと発表したことで先週末にストップ高となったエーザイ(4523)は国内大手証券と外資系証券が揃って投資判断と目標株価を引き上げたこともあって本日も16%以上上昇し連日でストップ高となりこちらも年初来高値を付けています。一方で先週末に第1四半期(3-5月期)決算を発表した銘柄に急落するものが目立ちました。大幅減益となったオンワードホールディングス(8016)が15.9%安となったほか、吉野家ホールディングス(9861)も赤字に転落したことで14.1%安、チヨダ(8185)も大幅減益となり業績予想を下方修正したことで10.8%安となり、オンワードホールディングス、吉野家ホールディングス、チヨダは揃って年初来安値更新となりました。さらに居酒屋の鳥貴族(3193)も値上げによる客数減などを受けて2018年7月期の業績予想を下方修正したことで9.7%安となり年初来安値を付けています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
先週末に米国による対中追加関税発動を受けて材料出尽くしから大きく反発した日経平均は、本日も大幅続伸となり節目の22,000円を回復しました。この結果、日経平均は200日移動平均線(22,159円)までもう少しの水準まで戻ってきましたが、先週木曜日に3月26日安値(20,347円)から5月21日高値(23,050円)までの上昇幅に対する半値押しの水準(21,699円)を割り込むところまで下落した後に切り返す格好となっているだけにこのままの勢いで節目の22,000円に続いて200日移動平均線も回復となれば調整一巡への期待が高まりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)