マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は米中貿易摩擦激化への懸念から反落 日本市場は円安で反発か
NYダウ: 24700.45 ▼219.21 (7/11)
NASDAQ: 7716.61 ▼42.59 (7/11)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はトランプ米政権が中国に対する制裁関税の追加措置案を公表したことで米中貿易摩擦激化への懸念が高まり5日ぶりに反落しました。ダウ平均は130ドル安でスタートするとじりじりと下げ幅を広げる展開となり、午後には一時255ドル安まで売られる場面もありました。結局ダウ平均は219ドル安の24,700ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も42ポイント安の7,716ポイントとなっています。
2.経済指標等
6月の米卸売物価指数(PPI)は前年同月比3.4%上昇し市場予想を上回りました。また、5月の米卸売在庫も前月比0.6%増加し市場予想を上回りました。米卸売売上高も前月比2.5%増加し市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が下げました。そのなかでもエネルギーが2%を超える下落となったほか、素材と資本財・サービス、電気通信サービスも1%以上の下げとなっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では米中貿易摩擦激化への懸念からキャタピラー(CAT)が3%を超える下落となったほか、ボーイング(BA)も2%近く下げました。原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)も3%以上下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。一方でウォルト・ディズニー(DIS)が2%近く上げたうえ、ビザ(V)も1%余り上昇しています。ダウ平均構成銘柄以外では、4-6月期の業績見通しを下方修正したアメリカン航空(AAL)が8%余り下げました。ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス(UAL)やデルタ航空(DAL)にも売りが広がり、ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスが3%以上下げ、デルタ航空も1%を超える下落となっています。また、英スカイの買収提示額を引き上げると発表したメディア大手の21世紀フォックス(FOXA)も財務負担を嫌気した売りで4%近く下げています。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの2.85%となりました。ドル円では円安が進み111円90銭台で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場の下落が想定の範囲に止まるなか、ドル円が円安となっていることから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなかで日経平均が節目の22,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)