マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
円安進行が好感され日経平均は255円高と反発
1.概況
本日の日経平均は255円高の2万2187円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数も上昇しましたが東証2部指数は小幅に下落しました。昨日の米国市場で主要指数は下落しましたが、昨日日本市場は米国株の下げを織り込む形で先に下落していたこと、またドル円が112円程度まで円安に振れたことが好感され日経平均は104円高の2万2036円と反発して寄り付きました。日経平均は寄り付き直後にやや上げ幅を縮めて1日の安値をつけましたがその後は徐々に上げ幅を広げる展開となりました。前場を242円高で終えた日経平均は後場寄りからさらに上げ幅を広げました。その後も高値圏で推移した日経平均は結局255円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆3081億円となりました。東証33業種は水産・農林業、情報・通信業、医薬品、精密機器などの20業種が上昇しました。一方で鉱業や石油石炭製品、非鉄金属など13業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は上昇した銘柄が多くなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)は6.4%の大幅高となりました。米投資ファンドがソフトバンクグループ株を約10億ドル分取得したと伝わったことが刺激となり大きく買われました。また、売買代金2位のエーザイ(4523)も8%の大幅高となったほか、任天堂(7974)、トヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、ファーストリテイリング(9983)がいずれも上昇しました。ソフトバンクグループとエーザイ、ファーストリテイリングの3銘柄で日経平均を160円近く押し上げています。一方で村田製作所(6981)と東京エレクトロン(8035)はそれぞれ1%強下落しました。その他材料が出たところでは、コールセンターサービスを手がけるベルシステム24ホールディングス(6183)は好調な第1四半期決算が好感され10%近く急騰しました。一方で医療用具などを手がけるホギメディカル(3593)は第1四半期の決算が減収減益となったことが嫌気されて15%近く下げています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
米国株の下げが一定以内にとどまったこと、またドル円で円安が進んだことを受け日経平均は反発しました。ただ、日経平均は1.2%高となった一方でTOPIXは0.5%高と本日の日経平均の大幅上昇は一部値がさ株の大幅高の影響が大きく、マーケット全体がリスクオンになったというような雰囲気はありません。引き続き米中の貿易戦争の動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)