マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
ダウ平均は2日間で139ドルの上昇もナスダックは18ポイント安とまちまち 日経平均は小動きでのスタートか
NYダウ: 25064.36 △44.95 (7/16)
NASDAQ: 7805.72 ▼20.26 (7/16)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は米企業決算への期待から買われて続伸しました。1ドル高と横ばいでスタートしたダウ平均は小幅なマイナスに転じる場面がありましたがすぐに切り返すとその後は高値圏で安定的に推移しました。午後の時間帯は小幅な値動きに終始したダウ平均は94ドル高の25,019ドルと6月15日以来約1ヶ月ぶりに25,000ドルの節目を回復して取引を終えました。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も2ポイント高の7,825ポイントと続伸し連日で史上最高値を更新しました。
昨日の米国市場は主要指数が高安まちまちでした。小幅高でスタートしたダウ平均は40ドル安程度まで下げる場面がありましたが持ち直すと先週末の終値を挟んだもみ合いの格好となりました。取引終盤にかけてやや上げ幅を広げたダウ平均は結局44ドル高と小幅に上昇して取引を終えました。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は20ポイント安の7,805ポイントと反落しています。
2.経済指標等
先週末に発表された7月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は97.1と前月から低下し市場予想も下回りました。
昨日発表された6月の米小売売上高は前月比0.5%高で市場予想と一致しました。変動の大きい自動車を覗いたコア指数は0.4%高と市場予想を上回る伸びとなりました。7月のニューヨーク連銀製造業景気指数は22.6と前月から低下したものの市場予想を上回りました。
3.業種別動向
先週末の業種別S&P株価指数は生活必需品や資本財・サービス、エネルギーなどの6業種が上昇しました。一方で電気通信サービスや金融、不動産などの5業種が下げています。
昨日の業種別S&P株価指数は金融などの3業種が上昇した一方で残る8業種が下落しました。中でもエネルギーは1%超下げています。
4.個別銘柄動向
先週末の米国市場でダウ平均構成銘柄は20銘柄が上昇、10銘柄が下落しました。中でもウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)が2%超の上昇で上昇率トップとなったほか、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)、ウォルト・ディズニー(DIS)も1%台後半の上昇となりました。一方でアマゾン・ドット・コム(AMZN)がネットワーク機器の販売を検討していると報じられたことを受け関連株が売られてシスコシステムズ(CSCO)が4%を超える大幅安となりました。ダウ平均構成銘柄以外では営業収益が市場予想を下回ったシティグループ(C)は2.2%安と売られました。同じく決算が冴えなかったウェルズ・ファーゴ(WFC)も1%超下げています。
昨日の米国市場でダウ平均構成銘柄は12銘柄が上昇、18銘柄が下落しました。金融株が買われてJPモルガン・チェース(JPM)が4%近く、ゴールドマン・サックス(GS)が2%超上昇しました。また、ボーイング(BA)は大量の受注を発表したことが好感されて1.5%高となりました。一方でキャタピラー(CAT)が2%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では決算内容が市場予想を上回ったバンク・オブ・アメリカ(BAC)が4%超の大幅高となりました。取引終了後に決算発表を行ったネットフリックス(NFLX)は売上高が市場予想を下回ったことが嫌気され時間外取引で急落しています。
5.為替・金利等
先週末の米長期金利は0.02%低い2.82%でした。昨日の米長期金利は0.04%高い2.86%となりました。ドル円はやや円高に振れて112円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
ダウ平均は先週末と昨日の2日間で139ドル高となりましたが、ナスダック総合指数は下落したことや木曜日と金曜日の2日間で660円以上の大幅高となったこともあり日経平均は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が先週末の好地合を継続して2万2000円台後半の値固めができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)