マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
値がさ株が売られて日経平均は27円安と下落もTOPIXは上昇とまちまち
1.概況
本日の日経平均は27円安の2万2586円と小幅に下落しました。新興市場のマザーズ指数も下落しましたが、TOPIXやJPX日経400、東証2部指数は上昇と主要指数は高安まちまちでした。昨日の米国市場で主要指数が上昇したことを受け日経平均は97円高の2万2711円で寄り付きました。寄り付きこそ高かった日経平均ですがすぐに上げ幅を縮めてマイナスに転じると下げ幅を60円あまりまで広げました。その後再びプラスに転じたあとマイナスに転じるなど方向感に欠ける展開となった日経平均は前場を22円安で終えました。後場に入ると一貫して小幅なマイナス圏での推移となった日経平均は結局27円安と小幅に安く取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆3957億円となりました。東証33業種は鉱業や陸運業、ガラス土石製品、建設業など30業種が上昇しました。一方で医薬品、情報・通信業、証券商品先物の3業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。アルツハイマー薬の第2相試験の結果がやや期待はずれとの評価が出たエーザイ(4523)が売買代金トップの商いを集めて10%超の大幅安となりました。また、ソフトバンクグループ(9984)も3.3%安と大きく下げたほか、第1四半期の決算が振るわなかったファナック(6954)が3.7%安、ファーストリテイリング(9983)も1.8%安となるなど日経平均寄与度の高い値がさ株が売られました。上述の4銘柄で日経平均を140円近く引き下げています。その他の売買代金上位銘柄は、任天堂(7974)、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、アドバンテスト(6857)、三井住友(8316)などいずれも上昇しました。中でも第1四半期の決算が大幅な増収増益で好調だったアドバンテストは6.3%の大幅高となりました。その他にも昨日決算発表を行った銘柄は堅調な値動きが目立ちました。エムスリー(2413)、LINE(3938)、信越化学工業(4063)、オービック(4684)がいずれも上昇しました。一方で日立建機(6305)と日本電産(6594)は朝方はプラス圏で推移する時間帯もありましたが、終値では下落しました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
TOPIXは0.7%高となりましたが日経平均は0.1%安とまちまちでした。日経平均に寄与度の高い値がさ株の下落は、日銀の金融政策決定会合で今後日経平均連動ETFの買い入れが減らされるのではないかとの懸念が影響しているのかもしれません。本日の大引け後には野村総合研究所(4307)、野村不動産(3231)、富士通(6702)、野村ホールディングス(8604)などが決算発表を行いました。明日のマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)