マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均は8円高と小幅高もTOPIXは下落とまちまち 日銀が金融緩和政策の変更を発表
1.概況
本日の日経平均は8円高の2万2553円と小幅に上昇しました。新興市場のマザーズ指数もわずかに上昇しましたが、TOPIXやJPX日経400は0.8%安、東証2部指数も0.3%安となり主要指数は高安まちまちでした。昨日の米国市場で主要指数が下落したことを受け日経平均は72円安と続落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に一時は192円安まで下げ幅を広げましたが、日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えるなかで買い戻しの動きも出て下げ幅を縮めると前場を68円安で終えました。日経平均は後場に入ってしばらくは前引け水準での値動きとなりましたが、13時過ぎに金融政策決定会合の結果発表が行われると日経平均は急速に下げ幅を縮めてプラスに転じました。一時は133円高をつけた日経平均ですが、買いの勢いは続かず再びマイナスに転じる場面もありました。結局日経平均は8円高と小幅に高く取引を終えました。東証1部の売買代金は月末最終営業日である影響もあってか3兆2635億円と3兆円を上回りました。東証33業種は海運業やゴム製品、鉱業など8業種が上昇した一方でその他金融業や銀行業、電気・ガス業など25業種が下げています。
日銀は「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」という題名で金融緩和政策に変更を加えました。「政策金利のフォワード・ガイダンス」を導入し、当分の間現在の長短金利水準を維持することを表明したほか、マイナス金利が適用される政策金利残高を減少させることを表明し、金融機関の収益について一定の配慮を示しました。また、購入するETFについてTOPIX・日経225・JPX日経400の3指数に連動するETFの購入金額を減らしその分TOPIXに連動するETFの購入金額を増やすと発表しました。概ね事前に報道されていた内容に沿った決定でした。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下げました。売買代金トップの三菱UFJ(8306)が2%近く下げたほか、任天堂(7974)、ソフトバンクグループ(9984)、三井住友(8316)、トヨタ自動車(7203)、みずほ(8411)、ソニー(6758)がいずれも下落しました。特に足元で上昇が続いていた銀行株が売られました。一方で足元で大きく下げていたファーストリテイリング(9983)が2.1%高と反発しています。その他材料が出たところでは、楽天(4755)と資本業務提携を行うと発表したぐるなび(2440)が今後の業績拡大期待から買われてストップ高となりました。楽天も1.3%高と堅調でした。また、第1四半期の決算が大幅な増収増益だった王将フードサービス(9936)は10%超の大幅高で上場来高値を更新しました。一方で第1四半期が大幅減収となったオリックス(8591)は5%近い大幅安となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
マーケットの注目度が高まっていた日銀の金融政策決定会合を通過しました。概ね事前報道に沿った内容だったこと、極端に金融緩和の縮小を意識させる内容ではなかったことからまずは無難に通過したと言えそうです。引き続き多数行われる日本企業の決算発表が注目されていきそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)