マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は米中貿易摩擦緩和期待から反発 日本市場は米国株高と円安を受けて上昇か
NYダウ: 25415.19 △108.36 (7/31)
NASDAQ: 7671.79 △41.78 (7/31)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は貿易戦争回避に向けて米中が交渉再開を模索していると伝わり米中貿易摩擦の緩和を期待した買いで反発しました。38ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに184ドル高まで買われた後上げ幅を縮める展開となりましたが結局108ドル高の25,415ドルと3日ぶりに反発して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数もハイテク株に押し目買いが入り41ポイント高の7,671ポイントと4日ぶりの反発となっています。
2.経済指標等
5月のS&Pコアロジック・ケース・シラー米住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比6.5%上昇し市場予想と一致しました。6月の米個人消費支出(PCE)も前月比0.4%増となり市場予想と一致しました。6月の米個人所得も前月比0.4%増となり市場予想と一致しています。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータは前年同月比1.9%上昇となりましたが市場予想を下回りました。4-6月期の米雇用コスト指数も前期比0.6%上昇に止まり市場予想を下回りました。一方で7月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)は65.5と前月から上昇し市場予想も上回りました。7月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数も127.4と前月から上昇し市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、資本財・サービスが2%を超える上昇となったほか、不動産と公益事業、ヘルスケアも1%以上上昇しました。一方で電気通信サービスと金融、エネルギーの3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
米中貿易摩擦懸念の後退を受けてスリーエム(MMM)が3%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、キャタピラー(CAT)も3%近く上げました。また、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)も2%近く上げたうえ、ボーイング(BA)も1%を上回る上昇となり、スリーエムとキャタピラー、ユナイテッド・テクノロジーズ、ボーイングの4銘柄でダウ平均を130ドル押し上げています。決算で1株利益見通しの引き上げを発表したファイザー(PEF)も3%以上上昇しています。ダウ平均構成銘柄以外では、最大100億ドルの自社株買いを実施すると発表した半導体大手のクアルコム(QCOM)や、決算で1株利益が市場予想を上回ったCATVのチャーター・コミュニケーションズ(CHTR)が3%を超える上昇となっています。一方で決算で1株利益が市場予想を下回った鉄鋼のAKスチール・ホールディング(AKS)が急落し14%近く下げています。なお、取引終了後に決算を発表したアップル(AAPL)は1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で大きく上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い2.96%となりました。ドル円は円安が進み111円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円の動向をにらみながらとなりそうで、どこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)