マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は高安まちまち 米中貿易摩擦への懸念からダウ平均は81ドル安 日本市場は軟調なスタートか
NYダウ: 25333.82 ▼81.37 (8/1)
NASDAQ: 7707.29 △35.50 (8/1)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。トランプ政権が2000億ドル相当の中国製品に当初発表の10%ではなく25%の輸入関税を課すことを計画していると伝わり米中貿易摩擦への懸念からダウ平均とS&P500株価指数は反落となりましたが、ナスダック総合株価指数はアップル(AAPL)などの主力ハイテク株の上昇を受けて続伸となりました。一時73ドル高まで買われるなど朝方は堅調に推移していたダウ平均ですが、昼前に売りが優勢となり下げ幅を広げると136ドル安まで売られました。その後やや持ち直したダウ平均ですが結局81ドル安の25,333ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も2ポイント安の2,813ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は35ポイント高の7,707ポイントとなりました。
2.経済指標等
7月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は前月比21万9000人増となり市場予想を上回りました。一方で7月の米ISM製造業景況感指数は58.1と前月から低下し市場予想も下回りました。6月の米建設支出も前月比1.1%減となり市場予想を下回っています。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利に変更はありませんでしたが、声明文では米国の経済活動を前回の「堅調なペースで成長している」との表現から「力強いペースで成長している」へと変更し景気判断を上方修正しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、エネルギーと資本財・サービスが1%を超える下落となったほか、素材も1%近く下げました。一方で情報技術と不動産、ヘルスケアが上げ、情報技術は1%近く上昇しました。金融は変わらずでした。
4.個別銘柄動向
決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったアップル(AAPL)が6%近く上昇し、上場来高値を付けダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。アップルは1銘柄でダウ平均を75ドル余り押し上げています。クラウドデータ保管・共有大手のドロップボックス(DBX)も投資判断の引き上げを受けて4%近く上げています。また、決算が市場予想を上回る増収増益となった全地球測位システム機器のガーミン(GRMN)や、決算で1株利益が市場予想を上回ったビール大手のモルソン・クアーズ(TAP)も3%を超える上昇となりました。さらに決算で赤字幅が縮小し市場予想を上回る増収となったネットラジオのパンドラ・メディア(P)が急伸し15%近く上げています。一方で米中貿易摩擦への懸念からキャタピラー(CAT)が3%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、スリーエム(MMM)も2%を上回る下落となりました。ボーイング(BA)も1%近く下げ、キャタピラーとスリーエム、ボーイングの3銘柄でダウ平均を95ドル余り押し下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%高い3.00%となりました。ドル円は111円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国市場でダウ平均が下げたことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は5日移動平均線(昨日時点で22,628円)などをサポートに下げ渋るかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)