マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は小幅に高安まちまち 日本市場は寄り付き前に発表される4-6月期のGDPに注目
NYダウ: 25509.23 ▼74.52 (8/9)
NASDAQ: 7891.78 △3.46 (8/9)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。石油株と金融株の下げが重石となったダウ平均とS&P500株価指数は続落となりましたが、主力ハイテク株が堅調だったことでナスダック総合株価指数は8日続伸となりました。取引開始後しばらくは前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となったダウ平均は昼前に売りが優勢となり60ドル安程度まで売られました。その後前日終値近辺まで一旦持ち直す場面もみられましたが上値は重く引けにかけて再び下げ幅を広げると引け間際には90ドル安余りまで下落しました。結局ダウ平均は74ドル安の25,509ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も4ポイント安の2,853ポイントとなりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3ポイント高の7,891ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比6000件減の21万3000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。また、6月の米卸売在庫は前月比0.1%増となり市場予想を上回りました。卸売売上高は前月比0.1%減となっています。一方で7月の米卸売物価指数(PPI)は前月比横ばいとなり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや資本財・サービス、金融などの6業種が下げました。一方で電気通信サービスや素材、公益事業などの5業種が上げ、電気通信サービスは1%近く上昇しています。
4.個別銘柄動向
メディア大手のバイアコム(VIAB)が6%高となりました。決算は減収減益となったものの1株利益が市場予想を上回ったことが好感されました。また、決算が市場予想を大幅に上回り、通期の見通しも上方修正した動画配信機器のロク(ROKU)が急伸し21%を超える上昇となりました。決算で1株利益が市場予想を大幅に上回った口コミサイトのイェルプ(YELP)も急伸し26%以上上げています。同じく1株利益が市場予想を上回った通信のセンチュリー・リンク(CTL)も13%余り上げています。一方で半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)が投資判断の引き下げを受けて2%安となりました。ドラッグストアのライトエイド(RAD)も2月に合意した食品スーパー大手への店舗売却を断念すると発表したことで急落し11%余り下げています。決算が市場予想を下回り、通期の見通しを下方修正した後発薬のマイラン(MYL)も6%以上下げたほか、旅行予約サイトのブッキング・ホールディングス(BKNG)も7-9月期の見通しが市場予想を下回ったことで5%安となりました。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い2.92%となりました。ドル円は111円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は買い材料に乏しいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなかで日米貿易協議(FFR)の結果を見極めたいとして様子見ムードの強い一日となるかがポイントとなりそうです。また、本日は寄り付き前の8時50分に4-6月期のGDP速報値が発表される予定で、2四半期ぶりのプラス成長が見込まれており注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)