マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は様子見で小幅に高安まちまち S&P500の強気相場が最長に 日本市場は買い優勢でのスタートか
NYダウ: 25733.60 ▼88.69 (8/22)
NASDAQ: 7889.10 △29.92 (8/22)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は米中の通商協議の結果やジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長による講演を控え様子見となるなか小幅に高安まちまちとなりました。小動きでスタートしたダウ平均は前日終値近辺で上値を押さえられると徐々に売りが優勢となり、午後に入って下げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に100ドル安近くまで売られる場面もあったダウ平均は結局88ドル安の25,733ドルと5日ぶりに反落して取引を終えています。また、S&P500株価指数も1ポイント安の2,861ポイントと5日ぶりの反落となりましたが、高値から2割以上の下落がない強気相場の期間が3,453日となり、これまでの記録(1990年10月-2000年3月の3,452日)を抜いて最長となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は29ポイント高の7,889ポイントと5日続伸となっています。
2.経済指標等
7月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比0.7%減の534万戸となり市場予想も下回りました。7月31日-8月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、参加者が9月の利上げや当面の利上げ継続を適切とみていることが分かりましたが、その一方でFRBが米景気のリスクとなる貿易摩擦への懸念を強めていることも明らかとなりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち電気通信サービスや資本財・サービス、公益事業など7業種が下げ、電気通信サービスが2%安となったほか、資本財・サービスも1%近く下落しました。一方でエネルギーや情報技術などの4業種が上げ、エネルギーが1%を超える上昇となりました。
4.個別銘柄動向
決算が市場予想を上回る増収増益となり、既存店売上高が13年ぶりの高い伸びとなったディスカウントストアのターゲット(TGT)が3%を超える上昇となり上場来高値を更新しました。市場予想を上回る増収増益の決算を発表したホームセンター大手のロウズ(LOW)も6%近く上げ、こちらも上場来高値を付けています。画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)もドイツで開催中のゲームの展示会で発表した次世代半導体の性能を評価した買いで4%近く上げました。さらにウォルト・ディズニー(DIS)とスター・ウォーズのモバイル端末向けゲーム使用に関するライセンス契約を結んだと発表したオンラインゲームのジンガ(ZNGA)も8%近く上げたほか、同業大手のハートフォード・フィナンシャル・サービシズ・グループ(HIG)に21億ドルで身売りすると発表した保険のナビゲーターズ・グループ(NAVG)も買収価格にさや寄せする格好で9%近く上昇しました。ハートフォード・フィナンシャル・サービシズ・グループは財務負担を懸念した売りで4%を超える下落となっています。また、投資判断の引き下げを受けてAT&T(T)が2%以上下げました。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い2.82%となりました。ドル円は110円台半ばで推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場はドル円がやや円安となっていることからやや買い優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が200日移動平均線(昨日時点で22,402円)を上回ってくるような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)