市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場は様子見となるなか貿易摩擦激化が懸念され下落 日本市場は円安で上昇か

NYダウ: 25656.98  ▼76.62 (8/23)
NASDAQ: 7878.46  ▼10.64 (8/23)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場はジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長による講演を控え様子見となるなか、米中が第2弾の追加関税を発動したことなどを受けて貿易摩擦激化が改めて懸念され下落しました。18ドル安と小幅に下落して始まったダウ平均は70ドル安程度まで売られると一旦切り返しプラスとなりましたが、30ドル高近くで上値が押さえられたことで再び下落に転じ昼前には125ドル安まで売られました。午後に入って40ドル安程度まで持ち直す場面もあったダウ平均ですが上値は重く引けにかけてやや下げ幅を広げると結局76ドル安の25,656ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も10ポイント安の7,878ポイントと6日ぶりの反落となっています。

2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2000件減の21万件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。一方で8月の米製造業購買担当者景気指数速報値(PMI)は54.5と前月から低下し市場予想も下回りました。7月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比1.7%減の62万7000件に止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材やエネルギー、金融などの10業種が下げました。一方で情報技術が上げています。

4.個別銘柄動向
米中が第2弾の追加関税を発動したことなどを受けて貿易摩擦激化が懸念されるなかキャタピラー(CAT)が2%余り下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、決算発表と併せて2019年1月期通期の1株利益の見通しを引き下げた女性向け衣料・雑貨のエル・ブランズ(LB)が急落し13%余り下げています。さらに中国の電子商取引大手のアリババ集団(BABA)も決算で売上高と1株利益が市場予想を下回ったことで3%以上下げました。一方で市場予想を上回る決算を発表した半導体設計ソフトを手掛けるシノプシス(SNPS)が6%以上上げたほか、目標株価の引き上げを受けて半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も6%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等
長期金利は変わらずの2.82%となりました。ドル円はさらに円安が進み111円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が小幅な下落に止まるなかドル円がさらに円安となっていることから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨日に上値を押さえられた75日移動平均線(昨日時点で22,465円)を上回って節目の22,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)

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