マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週末の米国市場はパウエルFRB議長の講演を受けて反発 S&P500とナスダックが史上最高値を更新 日本市場は米国株高で堅調なスタートか
NYダウ: 25790.35 △133.37 (8/24)
NASDAQ: 7945.98 △67.52 (8/24)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がジャクソンホール会議の講演で「物価が2%を超えて加速する明確な兆しはみえない」と発言し、これをマーケットは経済の力強い成長が続くなかでも利上げペースを速めない姿勢を示唆したものと受け止めたことで反発しました。31ドル高でスタートし昼前に170ドル高近くまで上げ幅を広げたダウ平均はその後やや上げ幅を縮めたものの大きく押すことなく堅調に推移すると133ドル高の25,790ドルと3日ぶりに反発して取引を終えています。また、S&P500株価指数も17ポイント高の2,874ポイントと3日ぶりに反発し1月26日に付けた史上最高値(2,872ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も67ポイント高の7,945ポイントと反発し7月25日に付けた史上最高値(7,932ポイント)を更新しています。
2.経済指標等
7月の米耐久財受注額は前月比1.7%減となり市場予想を下回りましたが、民間設備投資の先行指標とされる非国防資本財から航空機を除くコア資本財の受注は前月比1.4%増となり市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が上げ、素材と情報技術が1%を超える上昇となりました。一方で生活必需品が下げました。
4.個別銘柄動向
投資判断の引き上げを受けてネットフリックス(NFLX)が6%近く上げました。また、コンピューター支援設計(CAD)ソフト大手のオートデスク(ADSK)も決算が市場予想を上回ったことで急伸し15%以上上げました。会計ソフトのインテュイット(INTU)も決算で売上高などが市場予想を上回ったことで2%近く上昇しています。一方でカジュアル衣料のギャップ(GPS)が8%以上下げました。決算は市場予想を上回ったものの、旗艦ブランドの「ギャップ」の既存店売上高の落ち込みが大きかったことが嫌気されました。パソコン・プリンターのHP(HPQ)も2%近く下げました。決算は市場予想を上回りましたが材料出尽くしで下落しました。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.01%低い2.81%となりました。ドル円は111円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか4日続伸で400円余り上昇し利益確定の売りも出やすいなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)