マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は新興国通貨の下落や米中貿易摩擦への懸念から5日ぶりに反落 日本市場は米国株安と円高で下落か
NYダウ: 25986.92 ▼137.65 (8/30)
NASDAQ: 8088.36 ▼21.32 (8/30)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は利益確定の売りが出やすいなかで新興国通貨の下落や、トランプ米大統領が来週にも2000億ドル相当の中国製品に対する追加関税を発動する考えを示したと伝わったことなどが嫌気され5日ぶりの反落となりました。25ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に120ドル安余りまで下落しましたが、節目の26,000ドルを前に下げ渋ると切り返し一旦は40ドル安程度まで持ち直しました。しかし、取引終盤に再び下げ幅を広げ一時190ドル安近くまで売られたダウ平均は結局137ドル安の25,986ドルと節目の26,000ドルを割り込んで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も21ポイント安の8,088ポイントとなりました。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3000件増の21万3000件となりましたが、市場予想ほどは悪化しませんでした。また、7月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.4%増となり市場予想と一致しました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータも前年同月比2.0%上昇し市場予想と一致しています。米個人所得も前月比0.3%増となり市場予想と一致しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が下げ、なかでも素材が1%を超える下落となりました。
4.個別銘柄動向
9月12日に新製品発表のイベントを開くと発表したアップル(AAPL)が著名投資家のバフェット氏が「アップル株を少し買い増した」とテレビのインタビューで述べたこともあって1%近く上げました。ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、前日に続いて上場来高値を付けています。また、米国で開始した動画配信サービス「ウオッチ」を全世界に展開すると発表したフェイスブック(FB)も1%近く上げています。さらに目標株価の引き上げを受けて決済サービスのスクエア(SQ)も2%以上上げたほか、決算が市場予想を上回る大幅な増収増益となった衣料品のゲス(GES)も5%を超える上昇となっています。一方で売上高と1株利益が市場予想を下回った1ドルショップのダラーツリー(DLTR)が急落し15%以上下げました。手芸・家庭雑貨販売のマイケルズ(MIK)も決算で売上高が市場予想を下回ったことで急落し15%近く下げたうえ、衣料品のアバクロンビー・アンド・フィッチ(ANF)も既存店売上高が市場予想を大幅に下回ったことで17%以上下げました。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い2.85%となりました。ドル円は111円近辺で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安と円高で下落してのスタートが予想されます。8連騰の後で利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が売り一巡後に下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)