マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は高安まちまち ハイテクへ株の売りが続きナスダックは1%近く下落 日本市場は円高で下落か
NYダウ: 25995.87 △20.88 (9/6)
NASDAQ: 7922.73 ▼72.45 (9/6)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ボーイング(BA)の上昇などを支えにダウ平均は続伸となりましたが、引き続きハイテク株に売りが出たことでS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は3日続落となりました。ダウ平均は取引開始後しばらくして100ドル高近くまで買われましたが、上げ幅を縮めるとマイナスに転じ昼前には90ドル安余りまで売られました。午後に入って徐々に持ち直したダウ平均は取引終盤に再び80ドル高近くまで上昇しましたが、引けにかけて上げ幅を縮め結局20ドル高の25,995ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が10ポイント安の2,878ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も72ポイント安の7,922ポイントとなり前日に続いて大きく下げています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万件減の20万3000件と1969年12月以来の低水準となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。また、8月の米ISM非製造業景況感指数は58.5と前月から上昇し市場予想も上回りました。一方で8月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は前月比16万3000人増に止まり市場予想を下回りました。4-6月期の米労働生産性指数改定値も年率換算で前期比2.9%上昇しましたが市場予想を下回っています。さらに7月の米製造業受注も前月比0.8%減となり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち電気通信サービスや公益事業、不動産などの6業種が上げました。一方でエネルギーや情報技術、金融などの5業種が下げ、エネルギーは2%近く下落しています。
4.個別銘柄動向
エンジンの供給遅延で滞っていた生産が正常化するとの期待からボーイングが1%を超える上昇となりました。ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で30ドル余り押し上げています。ダウ平均構成銘柄ではビザ(V)とメルク(MRK)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も1%以上上げています。一方で投資判断と目標株価の引き下げを受けてシェブロン(CVX)が3%以上下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。さらに目標株価の引き下げを嫌気して半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が急落し10%近く下げたほか、7-12月期の出荷が低調となり利益率が低下するとの見通しを示した半導体製造装置のKLAテンコール(KLAC)も10%近く下げています。また、中間選挙に向けSNSへの規制が強化されるとの見方からツイッター(TWTR)やフェイスブック(FB)、スナップ(SNAP)などが引き続き売られ、スナップは上場来安値を付けています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い2.87%となりました。ドル円はトランプ米大統領が対日貿易問題に強硬な対応で臨む姿勢を示したことが伝わったことで円高に振れ110円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国市場でナスダック総合株価指数が大きく下げたことに加えて、ドル円が円高となっていることから下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が200日移動平均線(昨日時点で22,412円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)