マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は追加関税が中国との対話に配慮した内容だったことで反発 日本市場は米国株高と円安で上昇か
NYダウ: 26246.96 △184.84 (9/18)
NASDAQ: 7956.11 △60.32 (9/18)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は24日から発動される2000億ドル相当の中国製品への追加関税で税率が予想ほど高くなく中国との対話に配慮した内容だったことから反発しました。ダウ平均は一日を通して上げ幅を大きく広げる展開となり取引終盤に255ドル高まで買われました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局184ドル高の26,246ドルと大きく反発して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も60ポイント高の7,956ポイントと3日ぶりに反発しています。
2.経済指標等
9月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数は67となり市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスや資本財・サービス、エネルギーなどの7業種が上げ、一般消費財・サービスは1%を超える上昇となりました。一方で不動産や生活必需品などの4業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではナイキ(NKE)が目標株価の引き上げを受けて2%を超える上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、米中摩擦への過度な懸念が後退したことでボーイング(BA)とキャタピラー(CAT)も2%前後の上昇となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、エミー賞での受賞数が最多となった動画配信大手のネットフリックス(NFLX)が5%近く上げました。さらに半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)がメモリーの需要は依然として強く株価に大幅な上昇余地があると指摘を受けて4%高となったほか、化粧品のエイボン・プロダクツ(AVP)もブラジルの化粧品大手が買収を持ちかけていたと伝わったことで急伸し10%高となりました。一方でイーロン・マスクCEOが株式の非公開化に向けて資金を確保したと表明したことに関して米司法省が詐欺の疑いで捜査に入ったと伝わった電気自動車のテスラ(TSLA)が3%以上下げました。決算で1株利益が市場予想を下回った物流のフェデックス(FDX)も5%以上下げたうえ、決算が減益となった食品大手のゼネラル・ミルズ(GIS)も7%以上下落しました。
5.為替・金利等
長期金利は0.06%高い3.05%となりました。ドル円は円安に振れ112円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高と円安を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような展開となるかがポイントとなりそうです。また、本日は昼ごろに日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)