マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週末の米国市場は小幅に高安まちまち 日本市場は日経平均が年初来高値更新か
NYダウ: 26458.31 △18.38 (9/28)
NASDAQ: 8046.35 △4.39 (9/28)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は小幅に高安まちまちとなり、材料の出た銘柄への個別物色を支えにダウ平均とナスダック総合株価指数は続伸となる一方で、貿易摩擦の長期化やイタリアの財政を巡る不透明感が相場の重石となるなかS&P500株価指数はわずかに反落となりました。小幅に下落して始まったダウ平均はまもなくしてプラスに転じると小幅にマイナスとなる場面もみられましたが、概ね堅調に推移すると結局18ドル高の26,458ドルとなりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も4ポイント高の8,046ポイントとなったものの、S&P500株価指数は0.02ポイント安の2,913ポイントとほぼ横ばいとなっています。
2.経済指標等
8月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.3%増となり市場予想と一致しました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータは前年同月比2.0%上昇しこちらも市場予想と一致しています。また、9月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は100.1と速報値から下方修正され市場予想も下回りました。9月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も60.4と前月から低下し市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や素材、通信サービスなどの6業種が下げ、金融が1%余り下落しました。一方で5業種が上げ、公益事業と不動産が1%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
インテル(INTC)が3%余り上昇しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。7月に上方修正した通期の売上高見通しを達成する見込みと伝わったことが好感されました。また、米空軍からの大型受注を発表したボーイング(BA)も1%以上上げています。さらに目標株価の引き上げを受けて画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も5%余り上げました。一方で株式の非公開化計画を巡りマスク最高経営責任者(CEO)が証券詐欺罪で米証券取引委員会(SEC)から提訴されたことから電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)が急落し14%近く下げています。フェイスブック(FB)も約5千万人のアカウントが影響を受けるハッキングを受けたと発表したことで2%以上下落しました。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.02%高い3.07%となりました。ドル円は113円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は先週末の米国市場でダウ平均が小幅ながら続伸となったことやドル円も113円台後半での推移となっていることから大幅高となった先週末の流れを引き継ぎ堅調なスタートが予想されます。こうしたなか利益確定の売りも出やすいことから日経平均が堅調さを維持し1月23日に付けた年初来高値(24,124円)を更新できるかがポイントとなりそうです。また、本日は寄り付き前の8時50分に日銀短観が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)