マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は大幅続落 ダウ平均は545ドル安 日本市場は米国株安で続落か
NYダウ: 25052.83 ▼545.91 (10/11)
NASDAQ: 7329.06 ▼92.99 (10/11)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は長期金利上昇への警戒感が強く大幅続落となりました。ダウ平均は米CPIが市場予想を下回ったこともあって朝方に84ドル高まで買われる場面もありましたが、上値が伸び悩むとマイナスに転じ370ドル安程度まで下落しました。その後一旦持ち直したものの前日終値近辺で上値が押さえられると午後に大きく下げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に700ドル安近くまで売られたダウ平均は引けにかけて持ち直したものの結局545ドル安の25,052ドルと3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も92ポイント安の7,329ポイントとなっています。
2.経済指標等
9月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.3%上昇に止まり市場予想を下回りました。変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数も前年同月比2.2%上昇に止まり市場予想を下回っています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比7000件増の21万4000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが3%余り下落したほか、金融と不動産も3%近く下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでもファイザー(PFE)が4%近く下げたうえ、エクソンモービル(XOM)とシェブロン(CVX)、シスコシステムズ(CSCO)、マクドナルド(MCD)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、トラベラーズ(TRV)も3%を超える下落となりました。ダウ平均構成銘柄以外では、医療保険大手のエトナ(AET)の買収に対しニューヨーク州政府が懸念を示していると伝わったドラッグストアのCVSヘルス(CVS)が7%以上下げたほか、前日に破産申請に向け準備を進めていると伝わった小売り大手のシアーズ・ホールディングス(SHLD)は納入業者に対する支払いが滞り始めたと伝わったこともあって30%近く下げています。一方で9月の既存店売上高が堅調だった女性用衣料のエル・ブランズ(LB)が6%近く上げています。決算で1株利益が市場予想を上回ったデルタ航空(DAL)も3%以上上昇しました。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い3.15%となりました。ドル円は112円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の22,500円や200日移動平均線(昨日時点で22,508円)を下回りそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)