マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は中国株の急落やサウジアラビアとの関係悪化に対する警戒感から大幅続落 日本市場は米国株安で下落か
NYダウ: 25379.45 ▼327.23 (10/18)
NASDAQ: 7485.14 ▼157.56 (10/18)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は中国株の急落に加え、ムニューシン米財務長官がサウジアラビアで開催される経済投資フォーラムに出席しない方針を明らかにしたことでサウジアラビアとの関係悪化に対する警戒感も重石となり大幅続落となりました。61ドル安でスタートし一時15ドル安まで持ち直す場面もあったダウ平均ですが、しばらくすると大きく下げ幅を広げる展開となり午後には一時470ドル安まで売られました。ダウ平均は取引終盤にかけて下げ幅を縮めたものの結局327ドル安の25,379ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も157ポイント安の7,485ポイントとなり2%余りの下げとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比5000件減の21万件となり市場予想を上回る改善となりました。また、10月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数も22.2となり市場予想を上回りました。9月の米景気先行指標総合指数は前月比0.5%上昇し市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、一般消費財・サービスと情報技術が2%以上下落しました。一方で公益事業と不動産が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が下げました。そのなかでもキャタピラー(CAT)が4%近く下げたほか、IBM(IBM)とホームデポ(HD)、アップル(AAPL)、ビザ(V)、インテル(INTC)も2%以上の下落となっています。マイクロソフト(MSFT)も2%近く下げました。ダウ平均構成銘柄以外では、投資判断と目標株価の引き下げを受けてカジュアル衣料のギャップ(GPS)が6%近く下げています。また、ゲーム大手のアクティビジョン・ブリザード(ATVI)が急落しました。期待の高かった新作ゲームの販売が昨年並みに止まったことで失望売りが出て8%以上下げています。工具の製造・販売などを手掛けるスナップオン(SNA)も決算が市場予想を下回ったことで急落し10%近く下げています。一方で決算が市場予想を上回ったたばこ大手のフィリップ・モリス(PM)が3%以上上げました。アルミ大手のアルコア(AA)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことで6%近く上昇しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い3.18%となりました。ドル円は112円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は本日も中国市場の動向に神経質な展開となりそうですが、中国では11時に7-9月期のGDPの発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)