マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均59円高と小幅に反発 来週はイエレンFRB議長の講演に注目
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は59円高の1万6545円と小幅に上昇しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数もそれぞれ小幅に上昇しました。昨日に260円近く下げていたこともあり日経平均は72円高と反発して寄り付きました。寄り付き後も堅調に推移した日経平均は、10時過ぎに130円高近くまで上げ幅を広げました。その後伸び悩んだ日経平均は上げ幅を急速に縮めると、まもなくマイナスに転じ結局前場を11円安と小幅安で引けました。後場に入るとプラスに転じた日経平均は、大きな方向感は出にくく小幅高での推移が続きました。結局日経平均は59円高で大引けをむかえ、昨日割り込んだ1万6500円の節目を回復しました。東証1部の売買代金はほぼ2兆円ちょうどとなっています。東証33業種は鉱業や鉄鋼、保険業など19業種が上昇しました。一方で陸運業や医薬品、空運業などディフェンシブセクターを中心とした14業種が下げています。本日は大型株で構成されるTOPIXコア30が0.7%高だった一方で、小型株で構成されるTOPIXスモールは0.1%高にとどまるなど大型株優位の1日となりました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入った任天堂(7974)は3%安と反落しましたが、残る売買代金上位銘柄は概ね堅調でした。トヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、メガバンク3行、三菱商事(8058)などがいずれも上昇しました。材料が出たところでは、半導体大手のSUMCO(3436)が11.5%の大幅高となりました。米半導体メーカーのアプライド・マテリアルズ(AMAT)が好決算を発表したことが刺激になったようです。また、富士通(6702)も9.3%高と大きく上昇しました。外資系証券の投資判断引き上げが好感されました。一方で米調査会社による強い売り推奨に対して反論する見解を発表したCYBERDYNE(7779)ですが本日も2.2%安と下げ止まらず、4日続落となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は昨日の大幅安の反動で小幅高となりました。ただ、一段の円高進行への市場の警戒感は強いとみられ上値を追うような展開にはなりませんでした。来週は26日に行われるイエレンFRB議長の講演に注目が集まっています。講演の中で今後の金融政策についてどのような示唆を行うかによって市場に早期利上げの思惑が広がる可能性もありそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は小幅に反発 香港市場は小幅反落
上海総合指数:3,108.10(+3.99)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):22,990.61(-32.55)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は4日ぶりに反発しました。寄り付き直後に一時プラス圏に浮上した上海総合指数ですが、材料に乏しいなか上値追いとはならず、しばらくしてマイナスに転じると下げ幅を広げる展開となりました。上海総合指数は一時節目の3,100ポイントを割り込んで0.7%安近くまで売られましたが、後場に入ると急速に持ち直しプラスに転じました。結局、上海総合指数は節目の3,100ポイントを回復して小幅高で取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は小幅に反落しています。昨日の米国株高と原油価格の上昇を受けて買いが先行したハンセン指数ですが、本土市場の伸び悩みを受けてマイナスに転じると節目の23,000ポイントを割り込み一時0.6%安まで売られました。但し、後場に上海総合指数の反発もあってか下げ幅をやや縮めています。日本時間16時時点で商工業株指数や金融株指数、公益事業株指数が揃って下落している一方で、不動産株指数がわずかに上昇しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、2016年6月中間決算が前年同期比36.6%減益だった不動産のスワイヤパシエー (太古A・00019)が4%近く下落しています。また、大幅減益に加え、外資系証券による投資判断の引き下げも嫌気されキャセイパシフィック (キャセイ航空・00293)が3日続落しています。さらに、石炭のシェンホアエネルギー(中国神華能源・01088)が4%超下げ、ハンセン指数構成銘柄で下落率トップとなっています。
また、6月中間決算が市場予想を上回る4%増益となったクンルンエネルギー (昆侖能源・00135)が3%高と3日ぶりに急反発しています。さらに、好決算が引き続き好感され保険のピンアンインシュアランス (平安保険・02318)も1%超値上がりしています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)