マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は中国との貿易摩擦への懸念が後退し続伸 日本市場は米国株高と円安で上昇か
NYダウ: 24505.22 △240.92 (4/5)
NASDAQ: 7076.55 △34.45 (4/5)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は中国との通商問題に関してトランプ米政権の幹部が交渉を通じて制裁発動を避ける可能性に言及したことなどから中国との貿易摩擦への懸念が後退し3日続伸となりました。49ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに357ドル高まで買われると一旦90ドル高程度まで上げ幅を縮める場面もありましたが、その後再び上げ幅を広げ結局240ドル高の24,505ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も34ポイント高の7,076ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万4000件増の24万2000件となり市場予想を上回る悪化となりました。また、2月の米貿易収支の赤字額は前月比1.6%増の575億9100万ドルと9年4カ月ぶりの高水準となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種のうちヘルスケアを除く10業種が上げました。そのなかで素材とエネルギーが2%近く上昇したほか、一般消費財・サービスと資本財・サービスも1%以上上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでも中国との貿易摩擦への懸念が後退したことでボーイング(BA)とキャタピラー(CAT)が2%を上回る上昇となったほか、ダウ・デュポン(DWDP)とシェブロン(CVX)も2%を超える上昇となりました。ダウ平均構成銘柄以外では、投資判断の引き上げを受けて半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が2%を上回る上昇となりました。また、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の電話会見を受けて今後の経営などに対する過度の不透明感が後退したことでフェイスブック(FB)も3%近く上げています。一方で「売り」の投資判断を受けて半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)が6%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い2.83%となりました。ドル円は円安に振れ107円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。今晩に米雇用統計の発表を控え様子見となりやすいなかで日経平均が買い一巡後にさらに上値を伸ばすような展開をみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)