市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

円高進行を受け日経平均は308円安と大幅に続落

日本株式市場

1.概況
本日の日経平均は308円安の1万6083円と大幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の欧米市場の主要株価指数が下落し、ドル円が101円程度まで円高に振れたことを受け日経平均は164円安の1万6227円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後まもなく下げ幅を250円余りまで広げましたが、その後は徐々に下げ幅を縮めると前場を141円安で終えました。後場に入るとドル円が100円台後半まで円高に振れたことが嫌気され、日経平均は下げ幅を広げました。13時半過ぎに334円安と本日の安値をつけた日経平均は引けにかけてやや持ち直す場面もありましたが、再び下げ幅を広げると結局300円を超す下げ幅で取引を終えました。東証33業種は全て下落しました。中でも証券商品先物が5%近く下げたほか、不動産業、ガラス土石製品、銀行業も4%を超える下落となりました。東証1部の売買代金は2兆4585億円と昨日から18%強増加しています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は上げ下げまちまちでした。売買代金トップに返り咲いた任天堂(7974)が小幅高となったほか、日経平均への採用が発表されたファミリーマート(8028)が11%近い大幅高となっています。また、7月の既存店売上高が前年同月比で大きく増加したファーストリテイリング(9983)が2.7%高、4-6月期の純利益が過去最高となったKDDI(9433)も3.8%高とそれぞれ堅調でした。一方、ソフトバンクグループ(9984)やトヨタ自動車(7203)が2%前後下げたほか、メガバンク3行も3%-4%前後のきつい下げとなりました。本日の13時に4-6月期の決算を発表した富士重工業(7270)は今期の営業利益予想を従来の4200億円から4000億円に下方修正したことが嫌気され発表後に下げ幅を広げると結局5%超下落しました。その他材料が出たところでは、昨日の大引け後に発表した店舗とネット通販を合わせた7月の既存店売上高が前年同月比9%増と好調だったユナイテッドアローズ(7606)が11%超の大幅高となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
円高進行を受け日経平均は大幅続落となりました。日銀の追加金融緩和の内容が期待はずれに終わったことによる円買い圧力が高まっているとみられます。円高進行で日本株全体としては短期的に明るい展望が描きにくいなか、決算発表を受けた個別株物色の流れが強まりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は小幅続伸 香港市場は大幅反落

上海総合指数:2,978.46(+7.18)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):21,815.11(-314.03)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に続伸しました。小幅に下落して寄り付いた上海総合指数ですが、中国国家発展改革委員会が企業のさまざまなコスト負担の低減に向けて、適切な時期に政策金利と預金準備率を引き下げる方針を表明したことが好感され、しばらくしてプラスに転じるとその後は昨日の終値を挟んで揉み合う展開となりました。引けにかけて買いがやや優勢となり、結局上海総合指数は0.2%高で取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は大幅に反落しています。昨日の欧米株安と原油価格の下落を受けて、ハンセン指数は大幅に下落し節目の22,000ポイントを割り込んでスタートしました。米金利の上昇もあってか不動産株が大きく売られ相場全体の重石となったほか、中国の財新サービス業PMIが51.7と前月から悪化したことも嫌気され、一時1.8%安まで売られたハンセン指数はその後も安値圏での揉み合いが続いています。日本時間16時時点で4業種全てが下げ、なかでも不動産株指数と公益事業株指数が2%超下げているほか、商工業株指数も1%を超える下落となっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場はほぼ全面安となっています。特に不動産株が金利上昇への警戒感から利益確定売りに押され大きく売られています。なかでもワーフホールディング(九龍倉集団・00004)が5%超下落しハンセン指数の構成銘柄のうち下落率トップとなっているほか、シノランド (信和置業・00083)やニューワールド・デベロップ(新世界発展・00017)なども冴えない展開となっています。また、WTI原油先物が心理的な節目の40ドルを割り込んだことが嫌気されペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)やシノック(中国海洋石油・00883)といったエネルギー株も大きく売られています。前日に発表された香港の6月の小売売上高が市場予想以上に減少したこともあって商社のリーアンドフン (利豊・00494)が4%以上下げています。さらに、2016年1-6月期決算で純利益が市場予想に届かなかったことを受けてハンセンバンク (ハンセン銀行・00011)が1%超値下がりしています。

一方で、売りが先行した大手銀行のエイチエスビーシー (HSBC・00005)ですが、2016年1-6月期の決算が大幅減益となったものの市場予想ほど悪くなかったことから買い戻されると堅調推移となっています。


(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

バックナンバー


マネックスレポート一覧

当社の口座開設・維持費は無料です。口座開設にあたっては、「契約締結前交付書面」で内容をよくご確認ください。
当社は、本書の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本書の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。本書の内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。

利益相反に関する開示事項

当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、ならびに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。