マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均反落も下げ幅縮める 今週は伊勢志摩サミットやFRB高官の発言に注目
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は81円安の1万6654円と3日ぶりに反落しました。TOPIXやJPX日経400なども下落した一方で、新興市場のマザーズ指数は3.6%高と上昇しました。先週末の米国市場はダウ平均が65ドル高と上昇しましたが、日経平均は金曜日に先行する格好で既に上昇していたこともあり、65円安と反落して寄り付きました。G7財務大臣・中央銀行総裁会議で特段の成果がなかったことも失望売りを呼んだのか、日経平均は寄り付き後に下げ幅を拡大して10時過ぎには本日の安値となる318円安をつけました。その後は買い戻しも入り、結局日経平均は182円安で前引けとなりました。日経平均は後場に入るとさらに下げ幅を縮めて、一時は53円安となる場面がありました。結局日経平均は反落したものの、81円安と本日の安値からは大きく下げ幅を縮めての大引けとなりました。東証1部の売買代金は1兆7092億円と活況の目安とされる2兆円を大きく割り込みました。東証33業種は海運業や証券商品先物など10業種のみが上昇しました。
2.個別銘柄等
売買代金上位の主力銘柄は高安まちまちでした。東証1部の売買代金トップに入ったトヨタ自動車(7203)は1%安と反落、ソニー(6758)やみずほ(8411)、ファーストリテイリング(9983)なども下落しました。一方で三菱UFJ(8306)、ソフトバンクグループ(9984)、三井住友(8316)などが上昇しています。材料が出たところでは、複合レジャー施設を展開するラウンドワン(4680)が9%近い大幅上昇となりました。大手証券が目標株価を引き上げたことが好感されました。一方、ファンケル(4921)が6.3%安となりました。先週末の大引け後に発表した4月の月次売上高の伸びが前月から大きく鈍化したことが嫌気されたようです。
【VIEW POINT: 明日への視点】
一時300円超まで下げ幅を広げた日経平均ですが、下げ幅を大きく縮めての大引けとなりました。今週は26日・27日と伊勢志摩サミットが開催されますが、それ以外には日本国内ではやや材料難といった状況です。ただ、今週はイエレンFRB議長をはじめとするFRB高官の発言が多く予定されており、発言内容次第で6月の利上げ期待が高まれば円安ドル高が進みやすいとみられます。その場合早期利上げを懸念した米国株の大幅な調整がない限り、日本株のサポート要因となりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は続伸 香港市場はもみ合い
上海市場は続伸 香港市場はもみ合い
上海総合指数:2843.65(+18.16)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):19856.92(+4.72)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は続伸となりました。6月に人民元建てA株がMSCI新興国市場指数に採用されるとの観測が好感され上昇してスタートした上海総合指数は、前場に一時0.8%高まで買われましたが、その他の買い材料に乏しいなか上値が重くなるとその後は小幅高での推移が続きました。結局上海総合指数は0.6%高で取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数はほぼ横ばいとなっています。小幅に下落して始まったハンセン指数ですが、本土市場の上昇を受けてしばらくしてプラスに転じ上げ幅を広げると一時0.5%高まで上昇する場面がありました。但し、薄商いのなか買いが続かず、上げ幅を縮め一時マイナス圏に沈む場面がありましたが、その後は持ち直すと前日終値を挟んで揉み合う展開となっています。日本時間16時時点で金融株指数や商工業株指数、公益事業株指数が小幅に上昇している一方、不動産株指数が1%近い下落となっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、外資系のアナリストが投資判断を引き上げたことが好感されインターネットサービスのテンセント (騰訊控股・00700)が1%超上昇しています。また、出資する集友銀行株を売却すると伝わったBOCホンコン (中銀香港・02388)は2%以上値上がりしています。さらに、マレーシア-シンガポール高速鉄道の受注を巡る報道を好感し建設大手のレールウェイコンストラクション (中国鉄建・01186)が1%近い上昇となっています。
一方で、先週末にムーディーズによる格付けの展望がマイナスとなったことが引き続き嫌気され食品のティンイー (康師傅・00322)が3%近く下落しています。また、特段の材料が出たわけではありませんが、カジノのギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽・00027)も売られています。目標価格が約半値に引き下げられたことを受けて、CRRC (中国中車・01766)が一時1%超売られる場面がみられたものの、下げ幅を縮めています。さらに、米国の早期利上げ懸念が燻るなか、ヘンダーソンランド (恒基不動産・00012)やサンフンカイプロパティーズ (新鴻基不動産・00016)といった香港系の不動産株が揃って軟調推移となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)