グローバル・マクロ・ウォッチ

チーフ・ストラテジスト広木隆によるグローバル・マクロ解説をお届けします。

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広木 隆 プロフィール Twitter(@TakashiHiroki)

2017年6月米国雇用統計サマリー

非農業部門雇用者数前月比:
22.2万人増(予想17.8万人増)
失業率:
4.4%(予想4.3%)
平均時給:
前月比0.2%増(予想0.3%増)
前年比2.5%増(予想2.6%増)
(予想:Bloomberg)

米労働省が7日発表した6月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数が前月から22万2000人増加した。雇用者数は伸び悩むとした、われわれの予想を上回る4か月ぶりの高い伸びを示した。4月、5月分もそれぞれ3万3000人、1万4000人ずつ上方修正され、3カ月の平均では19万4000人。20万人に近い数字を維持している。失業率は4.4%と前月から0.1ポイント上昇したが、これは職探しをしようというひとが労働市場に戻ってきたためでむしろ明るい兆しととらえられている。いずれにせよ完全雇用に近い状態にある。

但し、賃金の伸びは依然として鈍い。この点はわれわれの指摘通りだった。平均時給は26.25ドルと前月比で0.2%と、5月の0.1%から加速したものの、予想の0.3%を下回った。前年比は2.5%で、同じく前月の2.4%から加速したものの予想には届かなかった。

市場はますますインフレ動向に神経質になっている。その意味で重要な指標は14日に発表される6月の消費者物価指数CPIであろう。5月は市場予想を下回り、2015年5月以来の低い伸びとなった。雇用統計でも賃金の伸びが鈍かっただけに、再びCPIが弱い数字となると足元の金利上昇も一服、当然ドル円も円高に巻き戻る可能性があろう。注視したい。

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