今週の注目ポイント (原則月曜日更新)
世界最大の市場で、世界経済に大きな影響を及ぼす米国のレポートを週刊でお届けします。
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
徐々に明るい兆し見られるも上値の重い局面継続か
先週の米国株式市場
―冴えない企業決算などから反落―
<先週の概況>
先週の米国株式市場は反落しました。1- 3 月期の決算発表を見極めたいといった思 惑から木曜日まではやや小動きながら堅調 な地合いとなりましたが、一部企業の決算発 表が冴えなかったことや中国の空売り規制 緩和に対する警戒感などから金曜日にダウ 平均は 280 ドル近い大幅な下落となりまし た。
米国株式市場バリュエーション
業種別リターン
ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング
<上昇>
ダウ平均採用の 30 銘柄中上昇は 6 銘柄にとどまりました。シェブロン(CVX)とエクソンモー ビル(XOM)は原油価格の上昇を受け買われました。また、インテル(INTC)は 1-3 月期決算 発表で今期の業績予想について市場予想を上回る強気な見通しを発表したことで 1.7%の上昇と 堅調でした。
<下落>
ゼネラル・エレクトリック(GE)は前週に事業部門の再編が好感されて大幅高となっていた反動 から売られました。アメリカン・エキスプレス(AXP)は 1-3 月期の決算発表で純収入が市場 予想を下回ったことなどでアナリスト予想が引き下げられたことで冴えない値動きとなりまし た。
先週発表された主な経済指標
小売売上高(自動車・ガソリン除く前月比) 3 月 +0.5% 市場予想 +0.6% 前月 -0.3% (下方修正)
14 日に発表された小売売上高は、変動の大 きい自動車とガソリンを除いた売上高が前月 比 0.5%増と 3 ヶ月ぶりに前月比増加に転じ たものの、市場予想(+0.6%)は下回りまし た。 売上高が増加に転じたことはもちろんポジ ティブですが、個人消費に勢いが出るかどう かは 4 月の指標を確認する必要がありそうで す。
今後発表される主な経済指標
3 月中古住宅販売件数 市場予想 503 万件 前月 488 万件
3 月新築住宅販売件数 市場予想 51 万件 前月 53.9 万件
22 日に中古住宅販売件数が、23 日に新築 住宅販売件数が発表されます。新築住宅販売 件数は 2 月まで 3 ヵ月連続で、中古住宅販売 件数は 1 月から 2 月にかけて販売件数が増加 しておりこの基調が継続しているかどうか注 目されます。
マーケットビュー
―-徐々に明るい兆し見られるも上値の重い局面継続か―
米国企業の決算発表が本格化しています。17 日時点のトムソン・ロイターの集計によれば第 1 四 半期の米国企業の決算は前年同期比 2.0%の減益と、前週時点の 2.9%の減益見込みから上方修正さ れました。また、市場予想を下回ったとはいえ小売売上高(自動車・ガソリン除く)が 3 ヶ月ぶりに 前月比プラスに転じ、ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を上回るなど個人消費関連で徐々に 明るい兆しが見られています。
利上げの早期化懸念が後退し、急激なドル高にもやや歯止めがかかるなか、4-6 月期以降の業績 改善期待から米国株が下値を探るような展開にはなりづらいものの、ダウ平均が 1 万 8000 ドルを 超えて上昇していくには材料不足のため、しばらくは 1 万 8000 ドル付近での停滞時期が継続する のではないかと考えています。
フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕