今週の注目ポイント (原則月曜日更新)
世界最大の市場で、世界経済に大きな影響を及ぼす米国のレポートを週刊でお届けします。
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
材料難で方向感出にくい展開
先週の米国株式市場
―前週の大幅下落の反動で大幅反発―
<先週の概況>
先週の米国株式市場はダウ平均が週間で600ドル近く上昇するなど、主要3指数が揃って大きく上昇しました。フランスでのテロ事件を受けリスクオフムードとなることが懸念されましたが、週初からダウ平均は大幅に上昇しました。週の半ばに公表されたFOMC議事要旨で12月に利上げが実施される可能性が高まったと判断されると、不透明感の払拭が好感されてダウ平均は一段高となりました。
米国株式市場バリュエーション
業種別リターン
ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング
<上昇>
ダウ平均採用の30銘柄中ファイザー(PFE)とデュポン(DD)を除く28社が上昇しました。ナイキ(NKE)は株式分割と増配、自社株買いを発表して大きく買われました。決算が市場予想を上回ったことで、ホーム・デポ(HD)やウォルマート・ストアーズ(WMT)の2社も大幅高となりました。アップル(AAPL)もアナリストの強い買い推奨を受け、大幅に反発しています。
先週発表された主な経済指標
消費者物価指数(CPIコア指数・前年比) 10月 +1.9% 市場予想 +1.9% 前月 +1.9%
10月の消費者物価指数(CPI)のコア指数は前年比1.9%の上昇と市場予想と一致しました。
物価上昇率が加速しているわけではないものの、市場予想を下回るような低調な数値にならなかったことから、依然として12月のFOMCで利上げが決定される可能性が最も高いと考えられます。
今後発表される主な経済指標
7-9月期国内総生産(GDP、改定値) 前期比年率 市場予想 +2.1% 速報値 +1.5%
24日に7-9月期のGDP改定値が発表されます。速報値では前期比年率1.5%増と堅調な数値でしたが、改定値では2.1%増に上方修正されると予想されています。
堅調な数値となれば、12月利上げの確度がさらに高まるとともに、米国経済の好調さが意識されて株式市場にプラスに働く可能性がありそうです。
マーケットビュー
―材料難で方向感出にくい展開―
先週のマーケットビューでは、テロの発生を理由としたリスクオフムードとなって株価が一段の調整となるのではないかと記しましたが、結果的に米国株は大幅反発となりました。
今週は経済指標の発表が少なく、感謝デーの祝日があることから取引参加者が少ないことが予想され、方向感の出づらい展開となることが予想されます。ダウ平均は17,500ドル~18,000ドルのレンジ推移となるのではないかとみています。
フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕
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