今週の注目ポイント (原則月曜日更新)
世界最大の市場で、世界経済に大きな影響を及ぼす米国のレポートを週刊でお届けします。
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
イベント目白押しで大幅な値動きに注意
先週の米国株式市場
―感謝祭の祝日を挟むなどして小動きに―
<先週の概況>
先週の米国株式市場は26日が感謝祭の祝日で休場、27日も短縮取引となるなど取引参加者が少ない中小動きに終止しました。ダウ平均は週間で25ドル安となった一方、S&P500やナスダック総合指数は小幅に上昇しています。
トルコ機によるロシア機撃墜など、地政学リスクの上昇によりリスクオフムードとなることが懸念されましたが、結果的にはマーケットに大きな混乱が起きることはありませんでした。
米国株式市場バリュエーション
業種別リターン
ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング
<上昇>
ダウ平均採用の30銘柄中10銘柄が上昇、20銘柄が下落しました。アラガンとの合併を発表したファイザー(PFE)は2%近く上昇、原油価格の反発を受けエクソン・モービル(XOM)やシェブロン(CVX)も上昇しています。
<下落>
ウォルト・ディズニー(DIS)は参加のスポーツ専門ケーブルテレビの契約者数が昨年度に減少していたことが明らかとなり週間で4%以上下落しました。
先週発表された主な経済指標
7-9月期 GDP改定値 +2.1% 市場予想 +2.1% 速報値 +1.5%
24日に発表された7-9月期のGDP改定値は前期比年率換算2.1%増と、市場予想と一致しました。
速報値の1.5%増から上方修正されるなど、堅調な数値となったことで、12月の利上げ実施可能性はますます高まったと言えそうです。
今後発表される主な経済指標
11月雇用統計
非農業部門雇用者数(前月差) 市場予想 +20.0万人 前月 +27.1万人
平均時給(前年比) 市場予想 +2.3% 前月 +2.5%
12月4日に11月の雇用統計が発表されます。今回の雇用統計は12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが行われるかどうかの最大の判断材料になるとみられます。
10月分が堅調だっただけに、同様の堅調さを維持すれば、12月利上げが行われる可能性が極めて高いでしょう。市場予想では非農業部門雇用者数が前月差20万人増、平均時給が前年比2.3%の上昇と予想されています。
マーケットビュー
―イベント目白押しで大幅な値動きに注意―
先週のマーケットビューでは、経済指標の発表が少なく休場日があることなどから値動きがあまりないのではないかと記しましたが、ほぼ予想通りの結果となりました。
今週は先週と打って変わって、重要イベントが目白押しです。12月1日にISM製造業景況指数、4日に雇用統計と利上げ判断に影響を与える重要経済指標の発表とともに、3日に追加金融緩和の発表が濃厚とされる欧州中央銀行(ECB)の政策理事会、4日に石油輸出国機構(OPEC)の総会が開催されます。
それぞれどのような結果となるかによって、マーケットの方向は変わるとみられ予想することは非常に難しいといえますが、いずれにせよ大きな値動きが出る可能性があり注意が必要と言えます。
フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕
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