米国株 Market Pick Up 今週の注目ポイント

今週の注目ポイント (原則月曜日更新)

世界最大の市場で、世界経済に大きな影響を及ぼす米国のレポートを週刊でお届けします。

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

クリスマス休暇に入り小動きの展開か

先週の米国株式市場
―週初は反発も原油安を嫌気し週間で小幅下落―

<先週の概況>

先週の米国株式市場は、ダウ平均が週間で136ドル安、S&P500は6ポイント安と小幅に下落しました。週の前半は原油価格の反発を好感し反発しましたが、週後半にかけて原油価格が再び下落するとリスクオフムードが広がり大きく下落しました。
ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は一時5,000ポイントの節目を回復しましたが、週末には再び節目を割り込みました。

米国株式市場バリュエーション

業種別リターン

ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング

<上昇>

ダウ平均採用の30銘柄中上昇が15銘柄、下落が15銘柄と上昇と下落が半々に分かれました。週の前半に原油価格が反発したことを受けエクソン・モービル(XOM)やシェブロン(CVX)が週間で約4%高と大きく上昇しました。

<下落>

デュポン(DD)は、モノ言う株主がダウ・ケミカル(DOW)のCEOの解任を要求するなど合併を巡って不透明感が強まったことが嫌気され週間で10%の大幅安となりました。証券会社によるiPhoneの出荷台数見通し引き下げを受けアップル(AAPL)も大きく売られました。

先週発表された主な経済指標

連邦公開市場委員会(FOMC)結果発表

市場の予想通り、15日と16日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが実施されました。具体的にはフェデラル・ファンド金利の誘導目標が0-0.25%から0.25-0.50%に引き上げられています。
イエレンFRB議長は記者会見で、今後の利上げペースが非常にゆっくりとなることを強調しました。公表されたFOMCメンバーの2016年末の予想FF金利は0.9-1.4%となっており、そこから逆算すると今後の利上げは四半期に1度かそれ以下のペースにとどまることを示唆しています。
さらにイエレン議長は「経済が想定通りに進展しなければ、我々は確実に利上げを休止する。」として、経済動向を見ながら柔軟な金融政策運営を行う決意を示しました。

今後発表される主な経済指標

11月 中古住宅販売件数(年換算) 市場予想 534万件 前月 536万件

22日に11月の中古住宅販売件数が発表されます。グラフに示したように、米国の中古住宅販売は、回復基調を辿って入るものの足元でやや伸びが頭打ちとなっています。
堅調な伸びが実現できるか注目されますが、市場予想では前月の販売件数からやや鈍化すると見込まれています。

マーケットビュー
―クリスマス休暇に入り小動きの展開か―

先週のマーケットビューでは、騰落レシオからみると足下の米国株は売られ過ぎであり、短期的に反発が期待できるのではないかと記しました。予想通り米国株は月曜日から水曜日まで3日続伸しましたが、歯止めのかからない原油安を嫌気する格好で、木曜日金曜日と大幅に下落し結局週間では小幅安となりました。
今週はクリスマス休暇期間となり、重要経済指標の発表や取引参加者が少なく方向感が出づらいため小動きの展開が予想されます。足下のマーケットは原油安によるリスクオフムードが広がっており、そこに歯止めがかからない限り本格反騰は難しいとみています。

フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕

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