米国株 Market Pick Up 今週の注目ポイント

今週の注目ポイント (原則月曜日更新)

世界最大の市場で、世界経済に大きな影響を及ぼす米国のレポートを週刊でお届けします。

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

売られすぎからの反発継続か

先週の米国株式市場
―原油価格の反発や日銀のマイナス金利導入受け上昇―

<先週の概況>

先週の米国株式市場は、WTI原油先物価格が33ドル台まで回復したことに加え、日銀がマイナス金利導入をサプライズで導入したことなどを好感し上昇しました。
ダウ平均は2.3%の大幅上昇となった一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数はアップル(AAPL)やアマゾン(AMZN)など時価総額の大きい銘柄の決算が冴えず大きく売られたことなどが影響し、0.5%の小幅な上げにとどまりました。

米国株式市場バリュエーション

業種別リターン

ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング

<上昇>

ダウ平均採用の30銘柄中23銘柄が上昇しました。決算発表で利益が市場予想を上回った3Mが8%を超える上昇となったほか、同じく決算内容が市場予想を上回ったマイクロソフト(MSFT)やマクドナルド(MCD)も堅調でした。

<下落>

iPhoneの販売台数などが市場の期待に及ばなかったアップル(AAPL)は決算発表翌日に6%超下げるなど、失望売りが出て週間でも4%安と売られました。その他にもボーイング(BA)やアメリカン・エキスプレス(AXP)など決算が冴えなかった銘柄は売られました。

先週発表された主な経済指標

連邦公開市場委員会(FOMC)

日本時間28日の午前4時に連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が公表され、市場の予想通り金融政策は現状維持となりました。注目されていた声明文の内容は、世界経済や金融市場への配慮を示す文言が追加されるなどしたものの、利上げペースの鈍化を示唆してほしい市場の期待を満たさず、ダウ平均は発表後に大きく下落しました。
今回の声明文では3月のFOMCでの利上げ可能性が完全には排除されませんでした。ただ、実際に3月利上げに踏み切る可能性はかなり低いとみられます。その理由は米国経済があまり芳しくないからです。声明文の冒頭に「12月に経済成長が鈍化した」とFRB自身が記載し、29日に発表された10-12月期のGDP成長率が0.7%にとどまるなど、過熱からは程遠い経済状況の中でFOMCが3月利上げを強行する可能性は低いと考えています。

今後発表される主な経済指標

1月 非農業部門雇用者数 市場予想 +19.0万人 前月 +29.2万人
失業率 市場予想 5.0% 前月 5.0%

2月5日に1月の雇用統計が発表されます。現在の米国経済は、労働関連の経済指標は好調を保っていますが、その他の指標は全般的にやや冴えない発表が散見されています。
労働関連指標についても、先行指標である新規失業保険申請件数はやや増加(悪化)の兆しを見せており、1月の雇用統計に悪化傾向が出ないか注目されます。
市場予想では非農業部門雇用者数が前月から19万人増、失業率は前月と変わらず5.0%と予想されています。

マーケットビュー
―売られすぎからの反発継続か―

先週のマーケットビューではFOMCの声明文次第であるが、引き続き売られすぎからの反発が期待できる局面ではないかと記しました。FOMCの声明文は、発表直後はタカ派的と捉えられ株価は下落したものの、精査すればそれほどタカ派的なものではなく、発表翌日に株価は反発しました。さらに日銀がマイナス金利の導入を発表し、株価は大幅上昇となりました。
筆者が独自に算出しているS&P500の騰落レシオは引き続き80%程度と売られすぎ水準にあります。ECB・日銀と中央銀行が相次いで緩和的な姿勢を発表したとあって、リスクオフの巻き戻しが継続し、引き続き売られすぎからの買い戻しが期待できる局面ではないかと考えています。

フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕

(※)印刷用PDFはこちらよりダウンロードいただけます。

レポートをお読みになったご感想・ご意見をお聞かせください。
ご質問の場合は、「レポート名」を明記のうえ、以下より投稿してください。

過去のレポート


マネックスレポート一覧

当社の口座開設・維持費は無料です。口座開設にあたっては、「契約締結前交付書面」で内容をよくご確認ください。
当社は、本書の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本書の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。本書の内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。