今週の注目ポイント (原則月曜日更新)
世界最大の市場で、世界経済に大きな影響を及ぼす米国のレポートを週刊でお届けします。
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
ISM 非製造業指数に注目
先週の米国株式市場
―原油価格の上昇を好感し続伸―
<先週の概況>
先週の米国株式市場で、ダウ平均は週間で147 ドル高と前週から続伸しました。
S&P500やナスダック総合指数もそれぞれ上昇しました。国際エネルギー機関(IEA)が今年のシェールオイルの生産量が減少するとの見込みを示したこと、サウジアラビア・ロシア・カタール・ベネズエラの4 カ国会談が3月にも開催される見込みとなったことを受け、原油価格が上昇したことが好感されました。
米国株式市場バリュエーション
業種別リターン
ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング
<上昇>
ダウ平均採用の30 銘柄中22 銘柄が上昇しました。ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)はハネウェル・インターナショナル(HON)と合併交渉を行っていると報じられたことから大きく買われました。ただし、ユナイテッド・テクノロジーズは今後の協議を進めない方針を発表しています。
<下落>
シェブロン(CVX)やエクソン・モービル(XOM)が下げたほか、マイクロソフト(MSFT)、 IBM(IBM)、シスコシステムズ(CSCO)などハイテクの一角が下げています。
先週発表された主な経済指標
中古住宅販売件数(年換算) 1 月 547 万件 市場予想 533 万件 前月 545 万件
24 日に発表された1 月の中古住宅販売件数は年換算547 万件と、前月から小幅に増加し市場予想を上回りました。
米住宅市場の回復は緩やかなペースで継続しているという見方を裏付ける結果だったと言えそうです。
今後発表される主な経済指標
2月 ISM 非製造業景況感指数 市場予想 53.0 前月 53.5
3月3日に2月のISM非製造業景況感指数が発表されます。1月分は12月分から2.3ポイントの大幅低下となり、米国の景気減速が意識されるきっかけとなりました。2月分は市場予想では53.0と前月から小幅に低下すると予想されています。
マーケットビュー
―ISM 非製造業指数に注目―
先週のマーケットビューではG20財務相・中央銀行総裁会議を控えて様子見となりやすいのではないかと記しました。実際には原油価格の上昇などが好感され、米国株は堅調推移となりました。
今週は月初の週ということで、ISM製造業指数・ISM非製造業指数・雇用統計など重要指標が数多く発表されます。中でも注目されるのはISM非製造業指数でしょう。前月の発表時には市場予想を大幅に下回る悪化となり、3月利上げ観測が大きく後退する結果となりました。同指数が一段の悪化となれば、利上げ観測後退という好材料になる一方、米国の景気停滞可能性の高まりという本来的にネガティブな要素であることから、株安につながる可能性もありそうです。
フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕
(※)印刷用PDFはこちらよりダウンロードいただけます。