今週の注目ポイント (原則月曜日更新)
世界最大の市場で、世界経済に大きな影響を及ぼす米国のレポートを週刊でお届けします。
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
強気なFOMCで株安?
先週の米国株式市場
―ダウ平均上昇もハイテク株決算冴えずナスダックは下落―
<先週の概況>
先週の米国株式市場で、ダウ平均とS&P500は上昇した一方、ナスダック総合指数は下落しました。
原油価格の上昇が好感された一方で、マイクロソフト(MSFT)やアルファベット(GOOGL)など一部ハイテク株の決算が市場予想を下回る内容だったことから、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は軟調推移となりました。
米国株式市場バリュエーション
業種別リターン
ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング
<上昇>
ダウ平均採用の30銘柄中15銘柄が上昇、15銘柄が下落しました。1-3月期の決算発表で増収減益だったものの市場予想を上回ったアメリカン・エキスプレス(AXP)が週間で6%超上昇し、ダウ平均採用銘柄で上昇率トップとなりました。また、ゴールドマン・サックス(GS)やJPモルガン(JPM)といった金融株や、シェブロン(CVX)やエクソン・モービル(XOM)といったエネルギー株など、年初から出遅れていた銘柄の物色が目立ちました。
<下落>
マイクロソフト(MSFT)は1-3月期の決算が減収減益で、市場予想も下回ったことから週間で7%の大幅安となっています。
先週発表された主な経済指標
中古住宅販売件数(年率換算) 3月 533万戸 市場予想 526万件 前月 507万件
20日に発表された3月の中古住宅販売件数は年換算533万件と市場予想を上回って前月から販売件数が増加しました。
ただ、販売件数の増加に勢いがあるわけではなく、依然として緩やかな伸びが続いています。
今後発表される主な経済指標
連邦公開市場委員会(FOMC)
4月26日から27日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。今回の会合で利上げが決定される可能性は非常に低いとみられています。ただ、原油価格の上昇や世界経済の回復、世界的な株価の上昇などファンダメンタルズの好転を受け、会合後に発表される声明文で6月のFOMCで利上げするかどうかを具体的に議論することが示唆される可能性があります。市場は6月利上げの可能性をそれほど高く見積もっていないとみられ、株価にネガティブ・サプライズとなる可能性もありそうです。
マーケットビュー
―強気なFOMCで株安?―
先週のマーケットビューでは、産油国会合で増産凍結が合意されなかったことを理由に米国株は売り先行ではないかと記しました。実際には週初から米国株は堅調に推移し、ダウ平均は上昇しました。
今週はFOMCや1-3月期のGDP速報値、企業決算が材料となります。中でもFOMCが注目で、3月会合時の声明文に比べて米国経済や世界経済についての見通しは上方修正されるとみられます。その見通しの上方修正が6月利上げを想起させるような強い表現となれば、6月利上げが織り込まれ、ドル高・株安に作用するのではないかとみています。
フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕
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