今週の注目ポイント (原則月曜日更新)
世界最大の市場で、世界経済に大きな影響を及ぼす米国のレポートを週刊でお届けします。
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
FOMCの声明文に注目
先週の米国株式市場
―ダウ平均4週続伸でS&P500とともに史上最高値を更新―
<先週の概況>
先週の米国株式市場は、主要3指数が揃って上昇し、ダウ平均とS&P500は史上最高値を更新しました。好調な企業決算などを好感し、ダウ平均は7月20日まで9日続伸となりました。
ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も年初来高値を更新、5,100ポイントの節目を回復しました。
米国株式市場バリュエーション
業種別リターン
ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング
<上昇>
ダウ平均採用の30銘柄中13銘柄が上昇しました。マイクロソフト(MSFT)は1株当たり利益が市場予想を上回り、5%超上昇して上昇率トップとなりました。また、マクドナルド(MCD)は日本マクドナルドホールディングス(2702)の店舗が大ヒットゲームポケモンGOと提携すると報じられたことを受け買われました。
<下落>
ウォルト・ディズニー(DIS)は証券会社の投資判断引き下げを受け下落しました。また、原油価格の下げなどを受けエクソン・モービル(XOM)とシェブロン(CVX)がそれぞれ下げています。
先週発表された主な経済指標
中古住宅販売件数(年率換算) 6月 557万件 市場予想 548万件 前月 551万件
21日に発表された6月の中古住宅販売件数は557万件と市場予想を上回って前月から販売件数が増加しました。米住宅市場の堅調な改善を示す内容でした。
今後発表される主な経済指標
連邦公開市場委員会(FOMC)
26日から27日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。今回のFOMCで利上げが決定される可能性は極めて低いとみられています。今回の注目点は、会合後に発表される声明文がどのような表現となるかです。
5月分の雇用統計が低調に終わったことでFRB高官たちの発言は利上げに対して慎重となりました。ただ、6月分の雇用統計がまずまず堅調な内容で、労働市場に対する過度の不安は後退しました。こうしたなか声明文の労働市場に対する表現がどのような内容となるかがポイントとなりそうです。
マーケットビュー
―FOMCの声明文に注目―
先週のマーケットビューでは、予想PERに割高感があることや騰落レシオも140%程度まで上昇していることから利益確定売りが出やすいのではないかと記しました。結果的にはダウ平均は力強く上昇し史上最高値を更新しました。
今週は連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文の内容が最大の注目材料です。現在は、追加利上げはあっても12月ではないかとの見方が市場では有力となっています。声明文の内容からその見方に変化が出て、再び早期利上げに市場の見方が傾けば利益確定売りの契機になる可能性もありそうです。
フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕
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