今週の注目ポイント (原則月曜日更新)
世界最大の市場で、世界経済に大きな影響を及ぼす米国のレポートを週刊でお届けします。
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
FOMC議事要旨とCPIに注目
先週の米国株式市場
―3指数が揃って上昇し史上最高値を更新―
<先週の概況>
先週の米国株式市場は、主要3指数が揃って小幅に上昇し、各指数が史上最高値を更新しました。
各指数は小幅な値動きが続きましたが、11日に大手百貨店の好決算や原油価格の上昇を手がかりに大きく上昇し、3指数同時に史上最高値を更新しています。
米国株式市場バリュエーション
業種別リターン
ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング
<上昇>
ダウ平均採用の30銘柄中15銘柄が上昇しました。原油価格の上昇を受けシェブロン(CVX)がダウ平均構成銘柄中トップの上昇率となりました。また、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、コカコーラ(KO)、ナイキ(NKE)、ウォルト・ディズニー(DIS)など消費財関連銘柄の一角が堅調でした。
<下落>
デュポン(DD)が2%超下落しました。ダウ・ケミカル(DOW)との合併を巡って欧州委員会が調査を始めたと発表したことで経営統合の先行きを懸念した売りが出ました。
先週発表された主な経済指標
小売売上高(前月比) 7月 ±0% 市場予想 +0.4% 前月 +0.8%
小売売上高(自動車・ガソリン除く) 7月 -0.1% 市場予想 +0.3% 前月 +0.8%
12日に発表された小売売上高は、市場予想を大きく下回るやや低調な内容でした。7月の売上高は市場予想の0.4%増に対し前月比横ばいにとどまりしたが、6月分は0.6%増→0.8%増に上方修正されました。
また、変動の大きい自動車とガソリンを除いた売上高は、前月比マイナス0.1%と1月以来半年振りに前月比マイナスとなりました。
低調な結果を受け早期利上げ観測が後退し、金利低下・ドル安が進行しました。
今後発表される主な経済指標
7月
消費者物価指数(CPI・前年同月比) 市場予想 +0.9% 前月 +1.0%
消費者物価指数(CPIコア指数・前年同月比) 市場予想 +2.3% 前月 +2.3%
16日に7月分の消費者物価指数が発表されます。市場予想ではヘッドラインが前年同月比1.0%の上昇、食品・エネルギーを除いたコア指数が前年同月比2.3%の上昇と予想されています。
利上げ判断にも大きな影響を与えるとみられるだけに、結果が注目されます。
マーケットビュー
―FOMC議事要旨とCPIに注目―
先週のマーケットビューでは、予想PERの高さを根拠に利益確定売りが出やすい局面と記しました。結果的に米国市場の主要3指数は利益確定売りをこなしながら小幅に上昇して史上最高値を更新しました。
今週は機関投資家が夏季休暇に入りやすい期間とあって、方向感が出にくく小動きになりやすいとみられます。こうしたなか、注目されるのは経済指標欄でご紹介したCPIの発表と17日に発表される連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨です。どちらも今後の利上げを巡る判断材料として注目されます。
フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕
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