今週の注目ポイント (原則月曜日更新)
世界最大の市場で、世界経済に大きな影響を及ぼす米国のレポートを週刊でお届けします。
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
イエレン議長のジャクソンホール講演に注目
先週の米国株式市場
―材料不足のなか3指数揃ってほぼ横ばい―
<先週の概況>
先週の米国株式市場は、ダウ平均とS&P500が小幅に下落した一方ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は上昇と高安まちまちでした。ただ、いずれの指数も変動幅は小幅で実質的にはほぼ横ばいと言えるでしょう。材料不足だったほか、夏季休暇期間とあってマーケットに大きな方向感は出ませんでした。
米国株式市場バリュエーション
業種別リターン
ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング
<上昇>
ダウ平均採用の30銘柄中15銘柄が上昇し、ファイザー(PFE)は横ばいでした。ナイキ(NKE)、デュポン(DD)がそれぞれ4%超・3%超の上昇となったほか、ゴールドマン・サックス(GS)やJPモルガン(JPM)の金融2社も堅調でした。
<下落>
マクドナルド(MCD)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ウォルマート(WMT)などの消費関連銘柄が売られました。
先週発表された主な経済指標
消費者物価指数(CPIコア指数・前年同月比) 7月 +2.2% 市場予想 +2.3% 前月 +2.3%
16日に発表された7月の消費者物価指数(CPI)は変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が前年同月比2.2%の上昇と市場予想を下回って前月から伸びが低下しました。
伸びが鈍化したことで、同指標の発表によって早期利上げ観測が強まることはありませんでした。
今後発表される主な経済指標
イエレンFRB議長 ジャクソンホール講演
26日にイエレンFRB議長がジャクソンホールで講演を行います。市場の大きな注目が集まっていますが、同講演でイエレン議長が今後の利上げ時期について具体的に言及する可能性は低いとみられます。
このところニューヨーク連銀のダドリー総裁やサンフランシスコ連銀のウィリアム総裁、フィッシャーFRB副議長などが立て続けに年内の利上げ実施を示唆する発言を行っています。こうした流れに沿ってイエレン議長も同様に早期利上げを示唆する発言を行うのか、それともバランスをとる意味もあってハト派的な発言を行うのか注目されます。
マーケットビュー
―イエレン議長のジャクソンホール講演に注目―
先週のマーケットビューでは、機関投資家が夏季休暇に入りやすい期間とあって、方向感が出にくく小動きになりやすいと記し、概ね想定通りの値動きとなりました。
今週はなんといってもイエレンFRB議長のジャクソンホールでの講演が注目されます。足元で年内利上げを示唆するFRB高官の発言が相次いでおり、イエレン議長も同傾向の発言を行えば利上げ観測の高まりから金利上昇・ドル高が進みやすいとみられます。
フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕
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