今週の注目ポイント (原則月曜日更新)
世界最大の市場で、世界経済に大きな影響を及ぼす米国のレポートを週刊でお届けします。
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
引き続き企業決算が材料に 25日にはアップルが発表
先週の米国株式市場
―決算や大統領選の見極めムード強く小動き―
<先週の概況>
先週の米国市場でダウ平均は週間で7ドル高と小幅に反発しました。決算や大統領選を見極めたいとのムードが強く、ダウ平均は5営業日とも2桁の変動と大きな方向感は出ませんでした。
前週に大きく下げていたハイテク株比率の高いナスダック総合指数は週間で0.8%高とこちらも反発しています。
米国株式市場バリュエーション
業種別リターン
ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング
<上昇>
アメリカン・エキスプレス(AXP)は週間で12%の大幅高となりました。19日の取引終了後に行った決算発表で売上・利益ともに市場予想を上回ったことで大幅高となりました。同様に利益が市場予想を上回ったユナイテッド・ヘルス・グループ(UNH)も8.5%の大幅高となっています。
<下落>
決算が低調だったインテル(INTC)は6%超下落しました。トラベラーズ・カンパニーズ(TRV)やプロクター・アンド・ギャンブル(PG)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)なども大きく下げています。
先週発表された主な経済指標
消費者物価指数(CPIコア指数) 前年同月比 9月 +2.2% 市場予想 +2.3% 前月 +2.3%
18日に発表された消費者物価指数(CPIコア指数)は、前年同月比2.2%の上昇と市場予想を下回って前月から伸びが鈍化しました。
今後発表される主な経済指標
7-9月期GDP速報値(前期比年率換算) 市場予想 +2.5% 4-6月期 +1.4%
28日に7-9月のGDP速報値が発表されます。市場予想では堅調な個人消費などを背景に、前期比年率換算2.5%の成長と4-6月期の1.4%成長から伸びが加速するとみられています。2%台の伸びとなれば昨年の7-9月期以来1年ぶりの高い伸びとなります。堅調な数値となれば、早期の利上げ実施を後押しすることになりそうで、ドル高材料となるかもしれません。
マーケットビュー
―引き続き企業決算が材料に 25日にはアップルが発表―
先週の米国市場は決算発表や米大統領選を見極めたいとのムードが強く、ダウ平均は連日2桁の値動きにとどまるなど小幅な値動きが続きました。
今週も引き続き決算発表が多く、それを見極める展開が続きそうです。25日には時価総額が最も大きいアップル(AAPL)の決算発表が予定されています。新型iPhone販売動向の初動などが明らかになるとみられ、アップルの株価動向は市場全体のセンチメントにも大きな影響があるとみられることから注目されます。
フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕
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