今週の注目ポイント (原則月曜日更新)
世界最大の市場で、世界経済に大きな影響を及ぼす米国のレポートを週刊でお届けします。
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
引き続き調整に警戒
先週の米国株式市場
―トランプラリー続き主要指数が史上最高値を更新―
<先週の概況>
先週の米国市場はトランプ次期大統領の経済政策への期待感から連日上昇し、ダウ平均は4営業日連続で史上最高値を更新しました。S&P500やナスダック総合指数もそれぞれ史上最高値を更新しました。
ダウ平均はほとんど押す場面なく週間で300ドル近く上昇と、足元の市場の強気なセンチメントを示す1週間となりました。
米国株式市場バリュエーション
業種別リターン
ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング
<上昇>
ダウ平均を構成する30銘柄のうち27銘柄が上昇しました。ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)が5%を超える大幅上昇となりました。年末商戦を前に期待が高まりウォルマート・ストアーズ(WMT)も4%近く上昇しました。
<下落>
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ビザ(V)、シスコシステムズ(CSCO)の3社が小幅に下げています。
先週発表された主な経済指標
FOMC議事要旨
23日に発表された11月に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、多くのメンバーが12月利上げを支持していることが明らかとなりました。ただ、イエレンFRB議長が先立って行われた議会証言で12月利上げを示唆していたこともあり、サプライズのある内容ではありませんでした。
今週発表される重要経済指標や市場動向に大きな波乱がなければ12月の13日から14日にかけて行われるFOMCで利上げが実施される可能性は非常に高そうです。
今後発表される主な経済指標
11月雇用統計
非農業部門雇用者数 市場予想 +17.5万人 前月 +16.1万人
失業率 市場予想 4.9% 前月 4.9%
12月2日に11月分の雇用統計が発表されます。利上げ決定可能性が高いとみられる12月のFOMC前最後の雇用統計ということで、その内容に注目が集まります。非農業部門雇用者数は前月比17.5万人増と堅調な内容が予想されています。
マーケットビュー
―引き続き調整に警戒―
先週の米国市場は引き続きトランプ氏の政策への期待が強く、ダウ平均は連日で史上最高値を更新しました。先週のマーケットビューではPERの割高感や今後ドル高により製造業の業績にブレーキがかかる可能性を指摘しましたが、現在のマーケットはそういったネガティブな材料を無視しているかのようです。
PERから見て割高な状態は変わっておらず、ドル高も進んでいることから引き続き見方は変えておらず、買い向かう局面ではないと考えています。
フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕
(※)印刷用PDFはこちらよりダウンロードいただけます。