今週の注目ポイント (原則月曜日更新)
世界最大の市場で、世界経済に大きな影響を及ぼす米国のレポートを週刊でお届けします。
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
引き続き閑散取引で方向感出づらい展開か
先週の米国株式市場
―ダウ平均は7週続伸で2万ドルの大台に迫る―
<先週の概況>
先週の米国市場は、ダウ平均が週間で90ドル高と上昇し7週続伸となりました。ダウ平均は一時1万9974ドルと2万ドル直前まで上昇しましたが大台達成とはなりませんでした。
ナスダック総合指数やS&P500もそれぞれ小幅に上昇しています。
米国株式市場バリュエーション
業種別リターン
ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング
<上昇>
ダウ平均を構成する30銘柄のうち18銘柄が上昇、12銘柄が下落しました。ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)は投資判断の引き上げを受け2%高としっかりでした。ナイキ(NKE)は決算が市場予想を上回ったことで2%近く上げています。また、スター・ウォーズの新作映画の観客動員が好調と伝わったウォルト・ディズニー(DIS)も上昇しています。
<下落>
投資判断の引き下げが嫌気され、メルク(MRK)が5%近い大幅安となりました。ウォルマート・ストアーズも2%安と軟調でした。
先週発表された主な経済指標
PCEコア・デフレーター(前年比) 11月 +1.6% 市場予想 +1.7% 前月 +1.7%
22日に発表された11月のPCEコア・デフレーターは前年比1.6%の上昇と、前月から伸びが鈍って市場予想を下回りました。
同指標はFRBが物価上昇率を計るうえで重視していることから伸びが加速すれば来年の利上げ見通しに影響を与える可能性がありましたが、結果的にはそうならずマーケットの反応は限定的でした。
今後発表される主な経済指標
12月 カンファレンスボード消費者信頼感指数 市場予想 108.5 前月 107.1
27日に12月のカンファレンスボード消費者信頼感指数が発表されます。同指標は11月に大きく上昇し、個人消費が堅調に推移していることを示唆しました。市場予想では今月も前月から改善するとみられています。
マーケットビュー
―引き続き閑散取引で方向感出づらい展開か―
先週の米国市場でダウ平均は小幅に上昇し7週続伸となりました。先週のマーケットビューでは、欧米がクリスマス休暇期間に入ることで大きな動きは出づらいのではと記しましたが、概ね想定通りの値動きとなりました。
今週はクリスマスの振替休日のため26日の米国市場は休場です。引き続き取引参加者が少なく閑散取引になりやすいとみられます。方向感が出てくるのは来年に入ってからでしょう。ただし、ダウ平均は2万ドルの大台目前で、ここまでくると年内に1度は2万ドルをつける可能性も高そうです。
フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕
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