今週の注目ポイント (原則月曜日更新)
世界最大の市場で、世界経済に大きな影響を及ぼす米国のレポートを週刊でお届けします。
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週の米国株式市場-ダウ平均は反落もハイテク株買われナスダックは最高値更新-
先週の米国株式市場
―ダウ平均は反落もハイテク株買われナスダックは最高値更新―
<先週の概況>
先週の米国市場は、ダウ平均が週間で78ドル安と反落しました。一方でハイテク株が選好される流れとなりナスダック総合指数は史上最高値を更新しています。
11日に行われたトランプ次期大統領の会見で粗暴な態度が報じられたことなどから当日は一時下げる場面もありましたが持ち直し、結局98ドル高と先週唯一の上昇となりました。
米国株式市場バリュエーション
業種別リターン
ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング
<上昇>
ダウ平均を構成する30銘柄のうち9銘柄が上昇しました。中でもメルク(MRK)はがん免疫治療薬を抗がん剤と併用する治療法で米食品医薬品局(FDA)が審査を始めると発表したのを好感した買いが入り週間で3.4%高となりました。
<下落>
トランプ次期大統領が、薬価が高すぎるため新たな価格決定の仕組みを導入することが必要と発言したことを受け、ファイザー(PFR)は3%近く売られてダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。
先週発表された主な経済指標
小売売上高(前月比) 12月 +0.6% 市場予想 +0.7% 前月 +0.2%
小売売上高(自動車・ガソリン除く) 12月 ±0% 市場予想 +0.4% 前月 +0.3%
13日に発表された12月の小売売上高は前月から0.6%の増加と堅調だったものの、市場予想は下回りました。また、変動の大きい自動車とガソリンを除いた売上高は前月と変わらずとなりこちらも市場予想を下回っています。
今後発表される主な経済指標
12月 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
18日に12月の米地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表されます。12月に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)でFOMCメンバーは今年3回の利上げを実施する考えであることが示唆されました。
ただし当然ながら利上げ回数は米国の経済状況次第で変更になる可能性があります。地区連銀報告はFOMCでの景気判断の参考資料となることが知られており、景気状況に注目が集まります。
フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕
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