今週のマーケット展望

チーフ・ストラテジスト 広木 隆が、週の初めに今週のマーケットのポイントと見通し、予想レンジ等をお伝えします。

広木 隆が投資戦略の考え方となる礎を執筆しているコラム広木隆の「新潮流」はこちらでお読みいただけます。

広木 隆 プロフィール Twitter(@TakashiHiroki)

「材料難で膠着相場」という見方に偏っていることがリスク 原油価格の底割れに注意

FOMCと日銀政策決定会合が終わり、相場は材料難。今週は特に主要な経済指標の発表も少なく、一段と膠着感が強まりそうだ。

今週は中国と米国で住宅関連の統計が発表される。中国では19日に70都市新築住宅価格指数が発表される。米国では21日に中古住宅販売件数、23日には新築住宅販売件数が発表される。米中ともに住宅価格は高値圏にあり、住宅市場の動向には注意を払いたい。

とは言え、これらが株式市場を動かす直接の材料にはならないだろう。それよりもむしろ市場の関心は、引き続き米国のハイテク株だろう。先週末、ナスダック総合株価指数は3日続落となった。ハイテク株の下げ止まりを確認できないうちは、相場の地合いが明確に好転することは望めないだろう。

ただし、先週一時1ドル108円台まで円高が進んだ場面でも下げ幅は限定的だったことからも、堅調な企業業績を背景に下値は堅い。25日移動平均のある1万9800円台前半を下値目途とし、上値は年初来高値の2万200円台と2万円を挟んで上下200円程度のレンジ内の動きを想定する。

冒頭述べた通り、今週は手掛かり材料に欠けるため、市場関係者の相場見通しのほとんどが、上述したようなもみ合いのレンジ相場の予想だろう。相場の見方がひとつに偏っているときほど、案外そうならないものであることには注意したい。一貫して下降トレンドにある原油先物が44ドル/バレルを割り込み年初来安値を更新したりするとリスクオフの流れから米国株の大幅安もあり得る。警戒しておきたい。

マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆

【お知らせ】「メールマガジン新潮流」(ご登録は無料です。)

チーフ・ストラテジスト広木 隆の<今週の相場展望>とコラム「新潮流」とチーフ・アナリスト大槻 奈那が金融市場でのさまざまな出来事を女性目線で発信する「アナリスト夜話」などを毎週原則月曜日に配信します。メールマガジンのご登録はこちらから

レポートをお読みになったご感想・ご意見をお聞かせください。

過去のレポート


マネックスレポート一覧

当社の口座開設・維持費は無料です。口座開設にあたっては、「契約締結前交付書面」で内容をよくご確認ください。
当社は、本書の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本書の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。本書の内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。