今週のマーケット展望

チーフ・ストラテジスト 広木 隆が、週の初めに今週のマーケットのポイントと見通し、予想レンジ等をお伝えします。

広木 隆が投資戦略の考え方となる礎を執筆しているコラム広木隆の「新潮流」はこちらでお読みいただけます。

広木 隆 プロフィール Twitter(@TakashiHiroki)

北朝鮮、トランプ政権、ジャクソンホールと材料目白押し 様子見姿勢強まる中、下値を拾う動きが見られるか

週明け21日から相場にとって重要イベントがある。米軍と韓国軍の軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」が始まる。「フリーダムガーディアン」は米韓両軍が毎年3回実施する合同演習の一つで、定例的なものだが、昨年は同演習の3日目に北朝鮮は潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射した。否が応でも緊張が高まるが、今回の演習は机上のシミュレーション中心で、「北朝鮮が戦闘を仕掛けてきた場合の対応をコンピューターで分析し、実戦的なシナリオに基づいて両軍の指揮系統を確認する。米軍の原子力空母や原子力潜水艦などは参加しない方向」と日経新聞は伝えている。31日まで続く演習期間中に目立った米朝の対立がなければ、ひとまず緊張緩和ととらえてよいだろう。

バノン首席戦略官・上級顧問を解任したトランプ政権は、ますます混迷度を増しているようにも映るが、これで目先悪材料出尽くしとなる感もある。ケリー首席補佐官やティラーソン国務長官ら残った主要メンバーでホワイトハウスの秩序回復を図る仕切り直しに取り組めるかどうか。

今週最大のイベントは米ワイオミング州ジャクソンホールで24‐26日に開催される経済シンポジウム。FRBのイエレン議長やECBのドラギ総裁の講演が注目される。特に3年ぶりとなるドラギ総裁の講演でECBの出口政策についての示唆があるのではと市場の期待が高まっていたが、ロイターが「ドラギ総裁は、ジャクソンホールの年次シンポジウムでの講演で、金融政策に関する新たなメッセージは打ち出さない」と報じている(8/16)。関係筋からの情報と伝えているが、「関係筋」は普通そう語るだろう。何が出るか蓋をあけるまでわからない。そして、重要なのはニュースではなく市場の反応である。

日経平均はテクニカル的に見ても、バリュエーション面でも割安なゾーンに入っている。重要イベントを控えて様子見の投資家が多いと思われるが、下値を拾う動きが出てもおかしくはない。

今週の予想レンジは19,300円‐19,800円 とする。

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