今週のマーケット展望

チーフ・ストラテジスト 広木 隆が、週の初めに今週のマーケットのポイントと見通し、予想レンジ等をお伝えします。

広木 隆が投資戦略の考え方となる礎を執筆しているコラム広木隆の「新潮流」はこちらでお読みいただけます。

広木 隆 プロフィール Twitter(@TakashiHiroki)

押し目買い意欲の強さを確認する週 米国の税制改革の行方が引き続き波乱要因に

非常に荒っぽい相場になってきた。9日に2万3000円台をザラ場でつけて、その1週間後に当たる先週16日には2万2000円を割り込むところまで急速に売られる場面があった。しかし25日移動平均できれいに切り返し、週末17日の陰線の下ヒゲも5日移動平均手前で止まった。先週、木曜と金曜の日中の値幅は400円を超えている。利益確定売りに押し目買いが交錯し、振れが大きくなっている。ボラティリティが高まり、それ自体が取引を誘因する。値幅を獲るチャンスが増えたとみて投機筋が参入する一方、ボラティリティ=リスクの高まりと捉えて強制的にポジションを落とす制約があるような運用主体からは売りが出る。

今週のポイントは25日線を下回ったところで押し目買いが入るかどうかである。この荒っぽい値動きは今週も続くだろう。そうすると、すでに2万2000円台に急上昇して来ている25日線を下回る場面もあり得る。先週の下げでは25日線がサポートになったが、そこがブレークされても押し目買いが入るか注目したい。移動平均ではなく2万2000円という大台が意識されるかどうか。

今週は重要な経済指標の発表が少ない。材料不足で引き続き米国の税制改革の行方に注目が集まるだろう。米税制改革は下院が法案を可決したが、為替はドル安円高に動いた。先週も述べた通り上院とのすり合わせが難航すると市場はみているからだろう。

週末には早くもブラックフライデーを迎える。近年、アマゾンに押されて苦戦が続く小売株だが、先週末は良好な決算発表が相次いだ。決算で利益が市場予想以上だったスポーツ用品のフットロッカーが急騰し、ナイキなど同業に買いが広がった。ギャップとアバクロンビー・アンド・フィッチの既存店売上高が増加し、大幅高となった。年末商戦のスタートを前に、期待が高まる決算だった。年末商戦の好調観測は相場の下支えになるだろう。

今週の予想レンジは2万2000円ちょうどから2万3000円とする。

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