今週のマーケット展望

チーフ・ストラテジスト 広木 隆が、週の初めに今週のマーケットのポイントと見通し、予想レンジ等をお伝えします。

広木 隆が投資戦略の考え方となる礎を執筆しているコラム広木隆の「新潮流」はこちらでお読みいただけます。

広木 隆 プロフィール Twitter(@TakashiHiroki)

米国株の動揺が収まることを前提に日経平均2万3000円台前半を固める展開

今週の日本株相場は、当たり前だが、米国株次第である。米国株の動揺が収まるかを見守りたいところ。その意味では週明けの東京市場で大幅安は想定しにくい。①日経平均は米国株が崩れる前から円高を嫌気して高値から1000円もすでに下げていること、②その円高も、日銀の指値オペ+良好な雇用統計+米国金利上昇とこれだけ円安ドル高要因が出れば110円台に戻っていること、③「初押しは買い」との格言通り、週末を挟んで少し冷静になった投資家の押し目買いで月曜日のNY市場が反発する可能性もあるため、NY市場の反応を見る前に一段と売り込むのは躊躇われるだろう。

週明けはさすがに売り先行で始まるだろう。日経平均は2万3000円を割り込む場面もあるかもしれないが、そこでは押し目買いが入るだろう。3日の日本経済新聞は、「2日までに2017年4~12月期決算を発表した企業の約7割で、純利益が前年同期より増えた」と報じた。記事には「1月以降、上方修正に踏み切る企業が相次ぎ、4~9月期決算時より増益率が切り上がっている」とある。実際に日経平均のEPSは1540円程度にじわりと上方修正されている。2万3000円を割り込めばPERは14倍台に低下、割安感も出てこよう。

冷静に考えれば米国の金利上昇は日本株にとって好材料。為替の面でも円高が進みにくくなるし、米国株から日本株へのシフトも誘因するかもしれない。2万3000円割れがあれば押し目買いの好機と判断する。

国内企業の決算発表は後半に入り、5日のパナソニックや三菱商事、6日のトヨタ自動車などを筆頭に今週も主要企業の発表が相次ぐ。さらに日経平均のEPSが切り上がるだろう。

9日は株価指数2月限オプションの特別清算値(SQ)算出である。最近の激しい値動きで、プットの売買が膨らんでいる。SQ絡みの波乱はあまりないが、念のため警戒しておこう。

日経平均の予想レンジは2万2950円~2万3600円。25日移動平均を奪回することが今週のターゲットである。

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