チーフ・ストラテジスト 広木 隆が、投資戦略の考え方となる礎をご紹介していきます。
広木 隆 プロフィール Twitter(@TakashiHiroki)
【新潮流】第19回 13日の金曜日
◆今日はメジャーSQ(特別清算価格)算出日。毎月あるオプションのSQ算出日に3カ月に一度の先物のSQ日が重なる。米国では「トリプル・ウィッチング(3人の魔女)」と言って相場が荒れると警戒される日だ(米国では株価指数先物、株価指数オプション、それに個別株オプションの3つのSQが重なる)。おまけに今日は13日の金曜日。なんだか余計に波乱が起きそうな雰囲気ではないか。
◆過去に13日の金曜日がSQ算出日だった相場はどうであったのか。1990年以降の24年超、干支が2回りする期間を調べてみた。13日の金曜日に該当したSQ算出日は39回あった。日経平均の騰落を勝ち負けで表すと22勝17敗(勝率56%)で平均リターンは0.3%のプラス。一方、13日の金曜日以外のSQ算出日は114勝120敗(勝率48%)で平均リターンはマイナス0.1%だった。13日金曜日のほうがパフォーマンスが良い。
◆メジャーSQではどうか。メジャーSQ算出日が13日金曜日に当たったケースは90年以降14回あったが、9勝5敗と勝率64%、平均リターンは約1%とさらにパフォーマンスが良い。13日金曜日のメジャーSQ、恐れるに足らずである。
◆今週の小欄は「ジューン・ブライド(6月の花嫁)」について取り上げてきた。「6月に結婚すると幸せになれる」という言い伝えが欧米にはあるが、その真偽はわからない。当たり前だが、それぞれのカップル次第であろう。ひとの幸せが、結婚する月で決まるわけではあるまい。
◆但し、「13日の金曜日に結婚すると不幸になる」というのは疑いようがない真実である。僕はカトリックの学校に通ったので神父の先生に尋ねたことがある。「神父様、13日の金曜日に結婚すると不幸になるというのは本当ですか?」「ええ、本当ですとも。どうして13日の金曜日だけが例外でありえましょうか」
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆