チーフ・ストラテジスト 広木 隆が、投資戦略の考え方となる礎をご紹介していきます。
広木 隆 プロフィール Twitter(@TakashiHiroki)
【新潮流】第139回 丸の内と東京駅
◆昨日は東京・大手町の再開発の話を書いたが、東京駅と皇居に挟まれた地域である大手町・丸の内の変貌ぶりがすさまじい。金融機関の本店ビルなどを中心に建て替え工事が相次いで、続々とモダンな高層ビルが林立している。丸ビルの裏から有楽町のペニンシュラ・ホテルあたりまで、丸の内仲通りを歩くと、ロレックスやティファニーなど高級ブランドを扱う専門店や有名ブティック、レストラン、カフェなどが建ち並び外国の街路のようである。
◆その丸の内仲通りの街路樹に、100万個以上のLED電球を飾りつけた「丸の内イルミネーション」が始まっている(来年2月15日まで)。ここだけでしか見られない、丸の内オリジナルカラーのシャンパンゴールドに輝くLED電球だ。はっきり言って煌めき度合いは、いまひとつだが、逆に上品で「大人の街・丸の内」にふさわしい。
◆クリスマス気分を盛り上げるイルミネーションに浮かれているうちに、世界のマーケットを原油安が揺らしていた。過度なリスクオフは和らいだように見えるが、まだまだ予断を許さない状況だ。それにしても、ドルと円、単位は違えど「17,000」と同じ水準になったNYダウと日経平均、相変わらず日経平均の値動きの荒さが目立つ。日経平均は一足早く18,000円の大台を一瞬つけたかと思えば、あっけなく17,000円を割り込んで16,000円台の半ば近くまで急落した。ダウ平均も大幅安となったが、その水準は17,000ドル台の範囲内に収まっている。
◆どうやら市場の成熟度というものが違うのか。大人と子供のようである。ともに金融の中心地であるニューヨークと東京、その都市の玄関である駅の歴史は1年しか違わないというのに。ニューヨークのグランド・セントラル駅は昨年開業100周年だった。わが東京駅は明日、12月20日で大正3年の開業からちょうど100周年を迎える。駅の歴史は偉大だが、そのお膝元の「金融センター」がいかにも心許ない。
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆